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林家志弦『はやて×ブレード』第9巻 [漫画]

待望の新刊、やっと続きが読める。これを入手したのが24日のクリスマスイブ、巻頭の番外編も主要キャラがそれぞれイブを過ごす様子を描いていた(いつもどおりコテコテのギャグだけど)。ははは、イヤな偶然だね。

はやて×ブレード 9 (ヤングジャンプコミックス)

はやて×ブレード 9 (ヤングジャンプコミックス)

  • 作者: 林家 志弦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/12/19
  • メディア: コミック

帯の裏に新装版の宣伝が載っているが、とにかく描き下ろし祭りでお届けなのです!とか書かれると、やっぱり買わないと駄目かなあと思ってしまうのはオタクの悲しい性だ。本気で悩んでるし。気が付いたら本棚に並んでるかも。

はやて×綾那ペアと炎雪×氷室ペアとの対決がスタート、予想どおり星奪りそっちのけのガチバトル展開に。綾那が決してメガネを外さない理由は、幼少時の出来事によるトラウマであることが描かれた。また、はやてに刺激を受け周囲の人間が各々本気モードに。ウルトラジャンプ移籍が影響したわけでもないだろうが、今巻はシリーズ中でも熱血度が高い内容だった。

そんな中、はやての双子の姉ナギと二人の(自称)義父・流麗が天地学園に。ストーリーにどう絡んでくるのか。そもそもナギの替え玉として入学したはやての今後は? そして炎雪×氷室ペアとの対決の行方は?...と早くも次巻が待ち遠しい。9巻を読んで自分が本当にこのマンガを楽しみにしていたんだとあらためて気付いた。以前からあとがきで「そろそろ(ふろしきを)たたんで行く」と宣言していたが、もっと続いて欲しいよなあ。「たたみ具合は端っこをちょっとだけなレベル」という言葉を信じて続きを待とう。

そうそう、待望といえばこっちもやっときた、ストロベリーシェイクSweet 第2巻がついに出る。それにしても長かった、もう出ないのかと思ったし。2009年01月17日発売予定か、楽しみだ。

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林家志弦『はやて×ブレード』 [漫画]

作者の別作品『ストロベリーシェイクSweet』を先に読んで気に入り、他にはどんな作品を...と調べた際に知った。キャッチコピーは「攻めるも乙女×受けるも乙女。女だらけの剣劇(チャンバラ)コメディー!!」だ。この作者は基本が百合系の作風で、そこに王道、こてこてのボケツッコミ型ギャグがまぶしてある。しかし鼻血がどばーっと盛大に噴き出すとかいまどきあまりやらんよな。面白いけどね。

天地学園――それは乙女のみが集う巨大校。そこには、「星奪り」と呼ばれる試合を行い、常に上位ランクを目指して剣の腕を競い合う「剣技特待生」制度が存在する。その「剣技特待生」の資格を持つ双子の姉の替え玉として、天地学園に転入して来た天然少女・黒鉄はやてを中心に、乙女だらけのバカ騒ぎが始まる!!

舞台になるのが女子校だから登場人物は女の子だけ。二人が攻撃役の「天」、防御役の「地」としてペアを組むという、百合的に素晴らしい設定。攻めに受けだものな。主人公ペアも含め皆が目指すのは、頂点に君臨する学園理事兼学園長兼生徒会長にして最強の剣士、天地ひつぎ。彼女がぶっ飛んだ性格でいい。他のキャラクターも魅力的で、それぞれのペアにドラマが用意されてキャラ立ても上手だ。女性作家にしては硬質な、かっちりとした描線で個人的にはとても好きな絵柄だ。一応チャンバラ漫画なのでアクションシーンも多いが、見せ方もなかなか工夫して迫力もある。何より登場するキャラクターがみんな明るくて元気がいい。おかげでシリアスな話もじめじめせずカラッとしている。

自分はコミックスで読む派なので連載を追いかけていなかったが、気がついたら掲載誌が月刊コミック電撃大王(メディアワークス)からウルトラジャンプ(集英社)に変更になってた。あらま。しかも理由が「諸般の事情」によりって。色々と邪推もしたくなるが作者としては良かったのかね、少年ジャンプ系の漫画が好きみたいだし。しかしファンとしては困っちゃうんだよこれが。

はやて×ブレード 1 新装版 (1) (ヤングジャンプコミックス)

はやて×ブレード 1 新装版 (1) (ヤングジャンプコミックス)

  • 作者: 林家 志弦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/08/19
  • メディア: コミック

紹介を兼ねて張ったAmazonへのリンク(アフィリエイト無しです念のため)、これは移籍後に集英社から新装版として発売されたもので、自分の手元にあるのは電撃コミックス版、当然既刊分は全巻揃ってる。新装版では加筆・修正、おまけ漫画も追加されているらしい。こうなるとオタクは弱い、欲しくなるじゃないか。うーん、また8冊も買い直すのか、中身は基本的に同じなのに。どうしよう。ちなみにウルトラジャンプ公式サイト内の特集ページでは第1話と第2話がまるごと試し読みできるので興味があればどうぞ。というか是非。おすすめ。

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とよ田みのる『FLIP-FLAP』 [漫画]

FLIP-FLAP (アフタヌーンKC)

FLIP-FLAP (アフタヌーンKC)

  • 作者: とよ田 みのる
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/06/23
  • メディア: コミック

こんなの出てたのかと思いつつ、作者の前作『ラブロマ』が好きだったので手に取った。またレアな題材持ってきたなあ。コミックスの帯には世界初(?)のピンボールラブコメ!!と書かれている。最近はすっかり足が遠のいたけどゲームセンターやボーリング場なんかには普通に設置されていたし、ひやかし程度には遊んだことはあるかもしれない。でもピンボールってこんなにも奥が深いゲームだったのかと感心してしまった。

高校の卒業式が終わったあと、ずっと片思いだった女の子に意を決して告白したら、あっさり「いいですよ」の返事。しかし彼女はある条件を出す。彼女の馴染みのゲームセンター、そこに設置された一台のピンボール。それに刻まれたハイスコアは、いまだ誰にも破られたことがない。「この得点を超えること。それが私の条件です。」

憧れていた彼女は、ピンボールを「私がこの世で一番大切に思っているもの」なんて真顔で言い切る、ちょっと変わった女の子だった。ピンボールに傾ける彼女の情熱をさっぱり理解できない主人公。実はヒロインに惚れてる彼氏候補は主人公以外にも大勢いて、みんな条件をクリアできずにゲーセンの常連さんになってたり。そしてヒロインと同じように本気なのだ。

「あのハイスコアを出した人間はバケモノです。そこにつぎ込まれた労力、努力を考えると私の心が震えるのです。何の見返りもないのに、無意味なのに、孤独なのに。あのハイスコアを出したような人間こそ...私の理想なのです。」

半分も理解できず戸惑いながら、主人公は思う。彼女は顔も知らないハイスコアラーに恋をしている、と。微妙にずれてる気がしないでもないライバル心がきっかけで、本気モードに突入した主人公は、いつしかピンボールの奥深い楽しさに魅入られていく...。まるで熱血漫画のような書き方になったが、まあそんな要素もちょっぴりはあるかな。いずれにしても青春してんなあと。

絵柄は少しくせがあるけど親しみやすさもあるので取っ付きにくいわけじゃない。王道なボケツッコミスタイルの笑いどころも嫌味がなくていい。裏話を描いたおまけ漫画によると、気合入れたネームが没になり、やけくそでその時一番はまっていたピンボールを題材にしたら採用になった...らしい。楽しい作品でした。

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岸虎次郎『マルスのキス』 [漫画]

マルスのキス (PIANISSIMO COMICS)

マルスのキス (PIANISSIMO COMICS)

  • 作者: 岸 虎次郎
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2008/02
  • メディア: コミック

いわゆる百合系作品というやつで、自分のようなくたびれたオタクが読むもんじゃないかなあと思いつつ手に取った。これには原作となった小説があるそうだ。と言っても同じ作者なんだが。『告白。』(ピュアフル文庫刊)というティーン向けのアンソロジーに収録されているものを作者本人が漫画化したのが本書と。多才な人なんだな。漫画家としての出世作は『COLORFUL』というヤングジャンプに連載された連作コミックで、男が苦心惨憺、女の子のパンチラを見ようとする話...ってイメージ違いすぎだよ。他には同じ百合系の『MAKA-MAKA』という作品があって(現在第2巻まで発売中)、こちらは直接的な性描写も描いているようだが女性からの評価も高いそうだ。ああ、でも作者は女の子を描くのが好きなんだな。突き抜けて百合系に行ったということかもしれない。絵柄は程よくリアルで色気もあるが、線がすっきりしているので淫靡というより健康的なエロさだ。

主人公は二人の少女、由佳里と美希。クラスメイトでありながら全く接点のなかった二人は、席替えで隣同士となる。由佳里はいわゆる"JK"(いささか古い表現だが)、対して美希はクラスでも存在感が薄い典型的な優等生として描かれ、意図的に分かりやすい対比にしている。当然、席が隣になっても会話すらなく、特に由佳里は美希に対しあからさまな悪感情を抱いていた。偶然ある場面に出会うまでは。

美術室でマルス像にキスをする美希を見かけた日から、彼女の存在が気になる由佳里。秘密を共有することで、しだいに惹かれあい距離を縮めるふたり。ある日、由佳里はその感情が「友情」ではなく「恋」だと気づいてしまう。

正反対に見える二人は心にとてもよく似た孤独を抱えるが故に惹かれあっていく...んだが、実はこれ片思いの話なんだよな、最後まで。美希に対する想いが友情とは質の違う、恋だとはっきり自覚する由佳里に対し、美希のそれは純粋で無垢な友情のままだ。少なくとも現在は。クライマックスで二人はキスをする。放課後、夕暮れの図書室で。そのシーンがとても綺麗でとても切ないのは、二人の感情が同じベクトルで寄り添っていないからなんだな。それでもかまわない、相手が大切な存在に変わりはないから、と全てを受け止める由佳里が可愛いです。そのおかげか最後はからっとしていて湿っぽくないのも良かった。

その後もう一話、後日談が雑誌に掲載されたようなんだが、コミックス発売後なので残念ながら未収録。うーん気になる。今後も不定期に二人の物語を描いていく予定なのかなあ。

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『ミミズ天使』 [漫画]

フレドリック・ブラウンの短編小説で作品集『天使と宇宙船』に収録されている。主人公がある日庭先でミミズを掘り返したところ、そのミミズは天使虫になって空へと上っていってしまう。それ以来身の回りに不可思議なことが続き、主人公はそこにある一定の規則性を見出し、半信半疑ながらも事態の解決を図るのだが...というのがあらすじ。かなり有名な作品らしいけどネタばらしになってもまずいので詳しくは書かないが、英語じゃないと面白さが伝わりづらいよなあと思う。実はこの作品に触れたのは原作小説ではなく波津彬子により漫画化されたものが最初だった。

かなり昔に歯医者の待合室にあった雑誌に掲載されていた。通院中、何度も読み返したほど面白くてずっと記憶に残っていた。確かマンガ少年だったと思うんだが(同じ号にはふくやまけいこの短編『何がジョーンに起こったか』も載っていたような...)、漫画雑誌としてはかなりマイナーなマンガ少年がどうしてあの歯医者に置いてあったのかは未だに分からない。他には少年ジャンプとかいわゆるメジャーな雑誌もあったし、比較的長い期間通院していたけれどマンガ少年はその一冊だけ、最新号が用意されることはなかった。

その後、ふとした際に思い出しては肝心のタイトルや作者名が分からず、探し当てることが出来ずじまいだった。しかし今は本当に便利だなあと思う。印象に残っていたキーワード「天使虫 Angelworm」で検索したらあっけないほど簡単に分かってしまうんだから。原作は冒頭にも書いたが創元SF文庫『天使と宇宙船』に、そして波津彬子による漫画版は講談社漫画文庫『フレドリック・ブラウンは二度死ぬ』にそれぞれ収録されている。

天使と宇宙船 (創元SF文庫)

天使と宇宙船 (創元SF文庫)

  • 作者: フレドリック・ブラウン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1965/03
  • メディア: 文庫
フレドリック・ブラウンは二度死ぬ (講談社漫画文庫)

フレドリック・ブラウンは二度死ぬ (講談社漫画文庫)

  • 作者: 坂田 靖子
  • 出版社/メーカー: コミックス
  • 発売日: 2002/12
  • メディア: 文庫

漫画の方は講談社漫画文庫以前に朝日ソノラマから出版されていたものが長く絶版になっていた、ということも分かった。そうか、やっぱりあの時読んだのはマンガ少年で間違いなかったのか。久しぶりに読んでみたくなったし、この機会に原作小説も併せて入手するのもいいかもなあ。

【2008/10/25 22:00追記】すっかり記憶違いをしていたようで、自分が読んだ雑誌はマンガ少年ではなく、同じ朝日ソノラマから刊行されていたデュオという雑誌の方だった。『ミミズ天使』が掲載されたのは1983年7月号で、同じ号に掲載されていたふくやまけいこの短編は『ウィニーメイの夢』が正しいようだ。お恥ずかしいかぎり。これじゃあ長いこと探し当てられないわけだ。

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