テレビシリーズとしては30年ぶりだそうで、日本に先行してイタリアでは8月に放送が始まっているようですね。そもそもの企画がイタリアからの要請だったのかもしれませんが、今回ルパンたちが活躍する舞台はイタリア(とその周辺?)になるようです。
キャラクターデザイン等の絵柄を含めたビジュアルはなかなかのもので、さすがに最新のアニメシリーズだなあと。上にも貼ったオープニング映像もカッコいいですしね。テーマ曲はもうお馴染みのやつです。新しいアレンジになってはいますが目新しさはありません。第3シリーズ(ピンクジャケットの)主題歌『セクシーアドベンチャー』みたいな歌曲でも良かったのになあ、とちょっと思いました。その代わりエンディングの曲が良いですね、なんとボーカル担当は石川さゆりという異色のコラボでとっても素敵です。
さて肝心の内容ですが、個人的には「ここまで同じことをやられるとさすがにもういいかな」というのが正直なところです。いや目新しさだけあればいいってものでもありませんし、「ルパン三世」という作品はもはや定番商品みたいな存在になっているわけだから、多くの視聴者(特にルパンの新作を待ちわびているような)がイメージする、これぞルパン三世だというお約束から大きく逸脱することはなかなか許されないのかもしれません。スピンオフとして放送された『峰不二子という女』も割と賛否が分かれていたような気もしますしね。
アニメとは違いますがたとえば『男はつらいよ』シリーズや『釣りバカ日誌』シリーズのように、毎年お馴染みの顔ぶれがお約束の展開をしてみせる、これぞ定番という国民的な作品も確かにあります。観客の期待を裏切ることなく、一種の安心感を与えてくれるような愛すべきシリーズ作品。『ルパン三世』もその仲間入りを既にしているのかもしれません。でもね、俺は寅さんのようなルパンを見たいわけじゃないんだよ、という思いを抑えることができないんですよね。
他には細かいことなんですけど、ある場面で銭形のとっつぁんが逃げるルパンを屋根伝いに追うという、もう何度見たか分からないシーンがあったんですけど、すんでのところでルパンにかわされ屋根の縁から落ちそうになるのを「おっとっと」みたいに腕をばたばたさせて踏みとどまるって描写があったんですよ。いやあ、もう2015年ですよ、そんな描写をいまさらやるのかよと。もうそのシーンを見た時に「あ、もう俺は見なくてもいいな」と思いました。いくら定番作品だからってねえ。
もちろんこのあと話数を重ねるなかで「おお、これはすごい」と思わせてくれる描写も出てくるのかもしれません。でもね、視聴者に「こんな作品(のテイスト)ですよ」と知らしめる役割を持つはずの第1話であんなことをされたらあまり期待はできないですよ。そんなわけで継続視聴はしないことにしました。残念です。
あともうひとつだけ、これは言っても詮無いことなんでしょうが。それはキャスティングのことです。2011年のテレビスペシャルから五エ門、不二子、銭形を担当する声優さんが変更になりました。今回の新シリーズも変更後のキャストです。そんな中で唯一のオリジナルキャストとも言える次元役の小林清志さんがね、さすがに厳しいなあと。御年82歳ですものね、無理はないんですけど。小林さんの声は大好きなんですがそれだけに聞いていてもう辛くて辛くて。御本人は声のお仕事を続けられる限り最後まで次元役を他に譲らないでしょうが。
そんなわけで新しく始まった『ルパン三世』の感想でした。
]]>クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門 (ファミ通文庫)
「中野太一さん。キング・オブ・クズであるあなたに、曽我野三姉妹を攻略していただきたいのでシテ」――いつものように山背にくっついて屋上へ行った俺は、二六五五年から来た彼女、カマタリさんに出会った。でも俺、恋愛とか、ムリ。死ぬ。しかもそのターゲットの一人ってウチの学校のNo.1美少女じゃん。ムリ。死……ん? 「強くてニューゲーム」? ……俺、やるよ。クズだって……「モテたいんや!」日本中の男子諸君に捧ぐ、最弱ラブコメ堂々登場!
いやあ楽しく読めましたよ。意外に感じるほど真っ当なラブコメだったし。何年も積読してしまって本当にすまなかった。そしてずっと「カタマリさん」だと勘違いしててごめん。
実は少々タイトル詐欺と言えなくもなかったりする。作中でも主人公は「キング・オブ・クズ」だの「暗くてクサくて画的にキツイ3K生物」だの散々な言われようだ。しかし選択肢を間違いフラグ立てに失敗すると直前のセーブまで強制巻き戻しという反則ワザがあるにせよ、フラグどころか重要イベントすら発生させられないダメ男では決してない。少なくとも学校のNo.1美少女なヒロイン等からとんとん拍子に感じるほどあっさり好意を抱かれる程度には基本スペックは結構高かったりする。これでクズなら俺はなんなんだ。
ただその辺りは上手く処理してもあって「なんだよただのリア充(予備軍)じゃねーか」と鼻に付くことはない。なんだかんだ言っても主人公は前向きなやつだし彼に任務を依頼する未来人のカマタリさんも可愛い。その二人のコントめいたやり取りは読みすすめる推進力にもなっているし。いくら基本スペックが高くとも誰かを好きになりその気持ちを相手に伝えるためには時に自分を変える努力も必要だよね、と。要はこれって『ドラえもん』なのだよなあ、なんて思ったりもした。
面白かったので他の著作も読んでみようかと確認したら、以前ある方からおすすめされていた『ヴァンパイア・サマータイム』の作家さんだと気が付いた。よし、じゃあ次はそれだな・・・などと考えていたら本棚から『後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール』というのを発掘しましたよ。買ってたんだ。
いやあ、積読も大概にしろよってことですね(オチてない)
後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール (集英社スーパーダッシュ文庫)
最後に更新してから相当な時間が経ち、ブログの書き方すら忘れてしまうほどです。さて、久しぶりに更新しようと思い立った理由は記事タイトルのとおりです。
このブログの最初期に自分の思い出の一曲として井上大輔の『STAY-去りゆく夏』を取り上げたことがあります⇒ 井上大輔『STAY-去りゆく夏』
先日その記事のコメント欄に「井上大輔のアルバム『FERMENT』がSony Music Shopのオーダーメイドファクトリーに登録されましたよ」と情報を寄せていただいたのです(コメントをくださったステイさん、ありがとうございます)。な、なんですとー!とサイトを見に行ったら、いやあ、ありましたよ『FERMENT』の項目が。
それがここです⇒ 【オーダーメイドファクトリー 井上大輔『FERMENT +1』】
そもそもオーダーメイドファクトリーってなんだよ、という方もいらっしゃるでしょう。ショップサイト内のFAQから引用しますが、
Q.「オーダーメイドファクトリー」とはどのようなサービスですか?
A.廃盤となり入手困難な商品や、新たなベスト盤企画、貴重な未発表音源やブックレットが付いた豪華BOXセットなど、様々なタイトルを皆様のご予約によって商品化してお届けするサービスです。
設定された予約期間内に、予約数が規定の数に達した場合のみ商品化決定となります。
重要なのは「設定された予約期間内に、予約数が規定の数に達した場合のみ商品化決定」となるってところですね。まあこれは採算を考えれば当然といえば当然の話で。これを書いている時点では予約達成率が11パーセントとかなり苦戦しております。予約の締切りは2015年09月13日までです。そんなわけでもしこの記事を偶然たまたま何かの間違いで目にしてしまったという貴方、そう貴方です。予約して、お願い。復刻が決まると俺が嬉しいので(ひどい)
【2015/10/08 1:06追記】
喜ばしいことに商品化が決定しました。およそ一か月遅れの追記ですが一応ご報告まで。やあ、めでたい。
思われる、と書いたのは実際に投稿が成功してるわけではなく、しかし普段ならほとんど閲覧のない過去記事に不自然なほど大量のアクセスがあり、おそらくコメントスパムを試み果たせなかった痕跡なのだろうと推測しているから。特徴としては「訪問者数」に対し「ページビュー」がほぼ10倍ということかな。それ以前にはなかったことでスパムが大量に湧いてきてからの傾向なのだなこれ。何らかの自動投稿を利用し一記事に対し成否を問わず10回行う、みたいな感じなんだろう。
So-netブログにもスパムフィルタ機能が用意されてるのでいろいろ試してみた。禁止IPを設定したり禁止WORDを登録したり。大抵の場合、サングラスやバッグ等のブランド品を安く買えるぜ的な内容なので禁止WORDには有名ブランド名がずらーっと並ぶことになりすっかり詳しくなった。嬉しくねえ。
ただこれらはいたちごっこでしかなく、最も効果的なのはコメント投稿時の画像認証を有効にすることだった。実は手順を少しでも省略できるように無効にしていたのだが、有効にした途端、上に書いたようにスパム投稿を試みた痕跡はあるものの実際にコメント欄に書き込まれることはぱたりと止んだ。その影響なのか、これまでは特定の数記事に集中していたものが文字どおり絨毯爆撃状態になった。スパム業者も意地になってるんじゃないかと思えるほどだ。おかげで(というのも変だが)PV数に関してはこのブログを始めて以来の記録を更新し続けている。だから嬉しくねえって。
今回の仕様変更でコメント投稿の手間が増えたという不満もあるようだが、スパムに悩まされるよりはずっとマシだ。だから自分はこの仕様変更を支持します。ほんとね、スパム業者は絶滅してほしいですよ。
【重要】コメント投稿での画像認証表示の仕様変更
いつもSo-netブログをご利用いただき、誠にありがとうございます。
コメント投稿でのスパム行為により、サーバー負荷やブログ開設者への迷惑行為が多発しておりますので、コメント投稿時における画像認証の表示方法を変更しました。
記事投稿時の詳細設定で画像認証を
・「有効」を選択時には、従来通りの挙動になります。
・「無効」を選択時には、コメント投稿者が接続サービスIDでログインしている時のみ、コメント投稿時の画像認証が無効(非表示)となります。コメント投稿時にお手間をかけるようになりますが、スパム行為を減少させる為の仕様変更ですので、ご了承ください。
大変ご迷惑をおかけしますが、今後ともよろしくお願いいたします。
【2013/11/01 23:33追記】
公式アナウンスに訂正があったようで、上に引用した表示方法の説明は“「有効」を選択時には、全員の方に画像認証が表示されます。” が正しいようです。
【2013/11/09 21:45追記】
スパムを減少させるための仕様変更について書いたこの記事にスパム投稿を試みるなんて笑えないジョークだ。訪問者数に対してPV数はなんと20倍にも達しようかという勢い。困ったもんだよ。
怪獣 vs. 巨大ロボです、まいっちゃいますね。上に貼った予告の冒頭で監督自身が述べてるとおり、日本で生み出された様々な先行作品へのリスペクトに溢れた作品のようです。そうまで言われちゃ見ないわけにはいかないでしょう。ど迫力の映像は大きいスクリーンで観たいですしね。8月9日より公開ですのでぜひ。
こちらは8月10日より公開、ブラッド・ピット主演のパニック映画ですかね。同名の原作小説があります。未知のウイルスが蔓延し人間が突然凶暴化するってお話なんですが、どうも日本では集客上の理由からでしょうか重要な部分、作品の肝と言うべき要素を隠して宣伝されてるんですね。迷いましたがはっきり書いちゃいましょう、人間が凶暴化する=ゾンビ化しちゃうってことです。別に隠すことないと思うんですが難しいもんですね。
2009年に公開されたリブート版の続編です。今回カーク船長ら主人公たちの前に立ちふさがる悪役を、テレビドラマ『SHERLOCK』で現代版ホームズを演じ日本でも人気のベネディクト・カンバーバッチが演じているのも見所でしょうか。前作以上にスペクタクルシーンも多そうですし大きいスクリーンで観たい一本ですね。こちらは8月23日から公開です、みんな映画館にワープだ!(えー)
スーパーヒーローの代名詞でもある「鋼鉄の男」スーパーマンの新作です。日本ではクリストファー・リーヴ主演の1978年版を思い浮かべる人も多いでしょう。2006年にも映画化されましたが今回は新たに語り直すということらしいです。基本的な設定は踏襲しつつも時代に合わせて一新する、というのはアメリカのヒーローコミックではそう珍しい話ではないようですが。さて、現代においてヒーローとは、という難しいテーマをどう描いてくれるのか楽しみです。8月30日からの公開ですのでぜひ。
]]>動画に付いたコメントで言い尽くされてる気もしますが『酔拳』以降、ジャッキー映画にはまった人は多いはずで、かつて同じように夢想した経験がある人にとってもまさに夢の共演でしょうね。
ちなみに180秒ver.もあります⇒【のどごし〈生〉CM カンフースター篇 180秒】
この方がどんな風に妄想、もとい夢を思い描いたか分かりやすいのはこっちの方かもしれません。
そしてメイキングがまた素晴らしい。⇒【のどごし〈生〉カンフースター篇 メイキング】
カンフーの型を楽しそうに、まるでじゃれ合うように互いに繰り出す二人の姿に付けられた“昔、こういう2人組はクラスの教室の隅に必ずいた。”というキャプションにうんうんと頷いてしまいましたよ。自分も経験ありますからねえ。でもこの人、演技がやけに上手いし純粋な素人さんじゃないんじゃないの?・・・なーんてことを考えてしまうぐらいには擦れてしまった我が身が少し哀しいです。
たとえ評価が定まった作品であっても10年、20年と時間が経過すれば古びてしまうこともあるし、特にアニメ(や漫画)は絵の占める比重が大きく、時代ごとの流行り廃りがかなり顕著だ。現在の絵柄の流行から外れているだけで「古くさくて見る気がしない」という人が少なくない以上、リメイクという手法はそれなりに有効だったりもする。まあ昔からのファンにすれば「頼むからそっとしておいてくれ」という意見もあるだろうし、逆に旧作を知らない世代からは「いまさらリメイク?」と言われるかもしれず、『ヤマト』に限らず旧作のリメイクには避けられない難しさではあるんだが。
さて今回のリメイク版『ヤマト』、ファンですらげんなりさせられた正統続編や実写版に比べるのもアレだが遥かにマシだ。基本というか核の部分は変えずに現代的なリニューアルを施してあって、それが今のところ成功してるかなーという印象。中には「おお、そうきたか」と感心させられたり逆に「あー、そこは変えないで欲しかった」や「え、それはいらなくね?」等々、なかなか複雑な部分もあるけれど。自分もかつては『ヤマト』に夢中になった世代としてそれなりに思い入れもあるから。
先日の放送分(第7話)で太陽系を離れたわけだが、そのエピソードに関して言えば古代と沖田艦長の関係とか描写が気になった。オリジナルにおいてはヤマト乗組員の中で(少なくとも描写された範囲で)お互いだけが地球に残してきた家族の無い天涯孤独な身であるという境遇からくるシンパシー。特に古代に関しては艦長に対する最悪な第一印象(己が助かるために部下(兄)を見殺しにする“英雄”)がここまでの航海で改まってきた上でこのエピソードが決定打になるわけだから。そしてあの艦長室での「古代、お前もさよならを言わんか!」「は、はいっ!」に繋がるのでなあ。変えないで欲しかったかも。
この関連では森雪との描写もちと残念。もっとも彼女に関しては設定自体が大きく変えられてるようだし、描写に関しては好みの問題でもあるが。雪は古代にも当然ながら地球に残してきた家族がいると思い込んでて(兄である守の戦死については「ゆきかぜ」発見のくだりで分かっていただろうが)、彼が回線の繋がっていないモニタを黙って見つめる姿を偶然見かけ「ああ、そうだったのか」とショックを受けちゃうわけなんだが、リメイク版では古代の口から「俺、家族全員死んじゃってるんだよね」と台詞で言わせちゃうのがなあ。いや、オリジナルと同じにせよなんて思っちゃいないけども。
あとは主人公である古代が航海を通じて成長するのもヤマトの重要な部分だと思うんだが、今回の古代くんはやけに達観してるというかやんちゃな部分がどうにも少ない。オリジナルでは彼ひとりの中に盛り込んでいた要素を他のキャラクターに分散させてるっぽいのでその影響もあるんだろう。特に南部くん、キャラ変えすぎだよなあ。頭のいかれたトリガーハッピー野郎にしか見えんもの。困ったもんだ。
ただでさえストレスがMAXな航海であるヤマト艦内に騒動の火種(いかにもトラブルメーカー然としたキャラクター、保安部の彼ですけど)を増やす必要あるのか、後々ドラマとして使いこなせるの?とか、アニメファンへの目配せでもあるのか女性乗組員を増やすのはいいとして、やたらと萌えキャラ化してるというか、あざといキャラづけなのはさすがにどうなんだ・・・などなど不満も結構あるが、2013年に『ヤマト』を新作として毎週テレビで見られるということを思えば些細なことだし(その割にはぐだぐだ長文書いてますが)最後まで楽しめたらいいなあと視聴しておる次第です。
公式サイト⇒【宇宙戦艦ヤマト2199】
]]>Google Glass - Home ( http://www.google.com/glass/start/ )
]]>それはさておき、こんな投票も行われてるようですね。
【上映前の「NO MORE 映画泥棒」、あなたはどう思う? | ゼゼヒヒ - インターネット国民投票】
自分は強いて言うなら「気にならない」側ですかね。確かに「泥棒扱いされてる気がする」という意見も分かるんですがそこまで腹は立たない。逆に最近はあの映像が流れ始めると「ああ、やっとお前が登場したか。まもなく本編が始まるな」と少しほっとするくらい。そこまでにやたらとCM(予告ではない)が多すぎて、映画館にすれば広告料も大事な収入源なんだと理解はするものの、さすがに自宅でテレビ見てるわけじゃないんだからとぐったりしちゃうので。
さて、ここからは蛇足(なので興味があれば「続きを読む」からどうぞ)。昔、映画館で目撃したある光景に関する思い出語りみたいなもんです。歳がばれちゃいそうですが。
■ 映画館でのマナー絡みのtweetを見て、そういえばそこまで酷い経験は幸いにして無いなあと思った。代わりに思い出したのは某アニメ映画(併映は吉川晃司のデビュー作)を観に行った時、中間の席(前の席に干渉しない場所)にカメラを構えた人たちがずらーっと並んでたことだ。
■ 昔は場内で写真撮影OKだったのか。そんなわけないだろうからこっそり持ち込んでたんだろうな。人気のあるキャラクターのアップとかで一斉にシャッター音が鳴り響くという。テレビで見かける記者会見のようだった。
■ こっそり持ち込むと言ったって三脚とか望遠レンズとか用意してたからなあ、映画館側のチェックも緩かったんだな。
■ しかしカメラ持ち込むのが猛者ばかりとは限らず、待ち望んだシャッターチャンスが訪れたその瞬間、フラッシュが一閃し場内には「うおーん」という咆哮が響き渡るのだった(笑)
■ フラッシュ光らせちゃったのは離れた席から見る限り、小学生くらいの女の子だった。一緒に行った友人ともどもカメラがずらりと並び当たり前のようにシャッター音を響かせる連中に腹も立てていたので、その瞬間にはグッジョブ&ざまぁ!と思ったもんで。
■ しかしそれ以上に驚いたのはフラッシュ光ったその後の展開だった。カメラ野郎どもの中から一人の男がその女の子の席まで駆け寄りフラッシュ光らせると映写された映像が写らないからとご親切に解説し始めたのだった。必死だなおい、と。
■ 解説というか忠告を終え自分の席に戻ったその男は「よくやった」的なアイコンタクトで迎えられ、その後もまた場内にシャッター音が鳴り続けたという。いやあ、あれはなんだったんだろうな。今思い出しても異様だった。
■ いきなり知らない男から正しいカメラの使い方(笑)をレクチャーされたあの女の子はさぞかしビックリしただろう。
その後、上映が終わりロビーに出ると自分たちが撮ったお宝写真の交換やら売買(何枚セットで幾らと話してた)の交渉がそこかしこで行われていた。おおらかな時代だった、などと片付けていいのかは分からないが、一連の光景を目撃したこの時ばかりはさすがに「オタクって、最低だな…」とか考えた。自分のことは完全に棚上げしてるところが若さである。
]]>それはさておき、自分はこれまでどんなケータイを使ってきたんだっけ、と振り返っていたのでした。それをざっと書き出してみたところ現在使用してる機種も含め計10台でした。これが多いのか少ないのかはよく分からんところですね。折角なのでここに紹介してみようかと。なお参考にしたのは20周年記念特別企画として公開されてる「DOCOMO 20 YEARS COLLECTION」というサイトです(記事中の機種名にはそれぞれ個別の紹介ページにリンクを張ってあります)。
思ったより長くなったので畳みます、興味があれば「続きを読む」からどうぞ。
初めての携帯電話です。特別なアイテムだった携帯が一般に普及し始めた頃でしたかね。出先で公衆電話以外の連絡手段があるって凄いことだなーと思ってました。まあ自分はそう頻繁に使用する場面があったわけじゃなかったんですけどね。
二台目です。前機種に比べて軽いことと、SONYのお家芸でもあるジョグダイアルの使い勝手がとても気に入ってました。カラーリングはまだ地味な色ばかりで主な用途はビジネスツールだったんでしょう。着信があると光るアンテナが出始めたのはこの頃でしたかね。記憶が定かじゃないですが。
機種名の末尾を見ると分かりますが初めてのiモード端末です。今でもこの機種が一番好きなデザインかもしれません。折りたたみ式(クラムシェル型)が主流になったあとも、先ずはストレート式で良い機種がないか探すようになったのはこれの影響かなあ。残念ながら手元に実機は残ってません。
初めての折りたたみ式です。ストレート式が良いとか上で書いておきながら、この機種以降しばらく折りたたみ式ばかり使うことに。いやあ、好みに合致したデザインがなかなか出なくって(言い訳)。パナソニック製モデルの特徴でもあるワンプッシュオープンが便利でした。そういえばカラー液晶になったのはこの機種あたりからでしたね。
三菱電機製は初めてでしたが、決め手はアンテナが内蔵されスッキリとしたデザインでした。三菱電機としては初の折りたたみ式だったそうで。気に入ってたんですけど、車に乗り込む際に上着のポケットからするっと落ち、そこに絶妙なタイミングで閉めてしまったドアと車体の間に挟まれあえなくお亡くなりに。
手元に実機が残ってたので画像も貼っちゃいます。死亡したD503iSに代わって購入したのがこれ。実はD503iSのデザイン等を継承した後継機も出ていたんですがこのカラーに惹かれて。SONY製の端末ということもありトロの待ち受け画面や着信音も標準で内蔵されてました。
これの前に使っていたSO504i、持ち歩くには少々かさばること以外に不満は無かったんですがジョグダイアルの調子が悪くなってしまい機種変更。初めてカメラ付きの機種になりました。出先で何かあればケータイを取り出して写メ・・・が(是非はさておき)広まったのはこの頃からでしたかね。外部メモリとしてminiSDが使えましたし結構気に入ってました。
いよいよFOMAです。これもカラーリングに惹かれたんだったかな(パナソニック製の使い勝手に慣れてたというのもありますが)。しかし赤が好きだなー俺は。この機種はカスタムジャケットという着せ替え機能が売りでもあったんですが結局使いませんでした。何より操作感というかレスポンスがもっさりしていて不評でしたねえ。ボタン操作から一拍遅れる感じは確かにありました。
久しぶりのストレート式機種、スッキリしたデザインが決め手になりました。機種変更を済ませ店外に出た途端に落として傷が付いたのも良い思い出です(悔しかったけど)。外部メモリもワンセグも非対応と機能的にはシンプルなものでしたが、あっても使わないなら必要ないですからねえ。この二世代後くらいに三菱電機は携帯電話事業から撤退します。自分にとって最も長く使用し、そして最後の「ケータイ」になりました。
で、これが今の愛機ですね。初めてのスマホ、自分には必要だったかなあと思ったり思わなかったり。次はまた「ガラケー」に戻っちゃうかもしれません。前機種からずいぶん間が空きましたが、やはりインセンティブ制度があったからこそ頻繁に機種変更ができたのだなーと。そんなことよりですね、冒頭にも書きましたが販売終了するの早すぎだろう!なんなんだよソニモバ!
第1巻の感想の中で“続刊があるなら歓迎するし、どうせ出すなら早めにお願いしたい”と書いておきながら発売から一か月以上も出ていることに気付かなかったという体たらく。でも前回の刊行からは一年以上も間が空いたんだから仕方がないですよね(言い訳)。
内容は前巻同様、仲良し三人組の女子高生の日常がゆるーく描かれているが、今回収録されていたのは季節が夏真っ盛りなエピソードだったので、この時季に読むには相応しいものだった。すっかりマスコットキャラとして定着したアオバトの他にも動物たちがゲストとして登場し、いいアクセントになっていたのも楽しい。
現在も月刊ヤングキング誌上で連載中、ではあるのだが、なにせ各エピソードが5ページ程しかないので次巻が発売されるのも最低一年は先のことになりそう。まあ気長に待とう。
]]>原作を楽しんだこともあって、どの様にアニメ化されているのか興味があった。同時に少しばかりの不安も。事前情報でキャラクター原案をいとうのいぢが担当と知り、ちょっとイメージに合わないのではと思ったから。もう少しリアル寄りな絵柄の方が良いのでは、という印象は本編を見始めてからも変わらず最後まで払拭できなかった。好みの問題ではあるが以前に見たアニメ版『屍鬼』を連想してしまったのは確かだ。題材がホラー、サスペンスといった場合、あまりにアニメ的な絵柄は適さない気がする。もちろん見せ方一つで変わるんだけど。
この『Another』はアニメ化に先んじて漫画化もされており、キャラクターデザインもそちらに準じたということかもしれない。アニメの場合、線を減らし均一化する必要があるから微妙なタッチをつけづらいという難点がある。実はこのことはストーリーが進んで災厄(「現象」か)が起こり始め、精神的に追い詰められた登場人物たちが狂気をあらわにする、って部分に顕著で。具体的には目を見開き、アニメ的なつるっとした絵柄に皺(ほうれい線みたいな)を増やしたり影を付けるという手法。最近では所謂ヤンデレ表現にも用いられたりするが、アニメ特有のシンプルな線のキャラクターに本来無い線を加えることで一種のノイズとする。これは確かに効果的ではあるんだが、ともすればギャグになっちゃうんだ。漫画でも急に劇画タッチになることのギャップで笑わせるというあれ(雰囲気を高めて怖がらせるより紙一重でギャグに転じても全力でぶっちぎるぜ!という意図ならこれはこれで成功してるのかもしれないけど)。この辺りは難しいな。何か新しい技法が出てこないものかな、さすがに食傷気味だし。
表現といえばこの作品はある種の呪いによって人がたくさん死ぬ。それも派手というか大掛かりな死に方で、血もどばどば出ます。この辺りは深夜枠を逆手にとってぎりぎりまで頑張って見せてたなーと(特にクラス担任のあれとか)。ただクライマックスに入ると閉店間際の大安売り的な様相を呈してきて笑えてしまった。最終回なんて三年三組の皆さんはぎりぎりのところまで追い詰められておかしくなった、というよりお前ら最初から誰かを殺したかっただけじゃないのか…と思える外道っぷり。狂気を表現するのって難しいなあ。なんというか、Jホラーよりも「ファイナル・デスティネーション」シリーズに近い感覚で見る方がいいのかも。あそこまで突き抜けてはいなかったけれど、そんな楽しみ方も有りではないかと。
楽しみ方といえばTwitterでやり取りさせてもらった方は主人公の少年を巡って二人の少女が激しい争奪戦を繰り広げている、そして勝利のためには「現象」すら利用しているのだ、まさに修羅場、みたいなことをおっしゃってましたが目から鱗でしたね。実際、某キャラクターのラストカットでの微笑みは「…計画どおり、ふふふ、彼は誰にも渡さないわ(ニヤリ」としか思えないですし。怖ええ。そんなわけで作品に接する際はもっと柔軟な楽しみ方をしなければ駄目だなと。いや割とマジで。
漫画、アニメに続いて8月には実写映画も公開されます。『Another』は角川書店のお家芸でもあるメディアミックス展開だったわけですね。それぞれの媒体ごとに原作に無い仕掛けが施されてるそうですから、今度はどんな『Another』を見せてくれるんでしょうか。わたし、気になります!(それは違う作品だ)
映画『アナザー Another』公式サイト(※予告が自動再生されます、念のため)
]]>久しぶりの更新を地方在住者の慟哭で始めてみました、こんばんは。こうなったら某少年誌(週刊少年サンデーという噂も)で準備中という新連載を今か今かと楽しみにするのみです。
つい最近Twitterで知った動画なんですが、これがまた、大友克洋の影響というかオマージュ全開な内容でした。いやあ、よく出来てんなーこれ。
【M83 'Midnight City' Official video】
【M83 'Reunion' Official video】
このPVはフランスのM83というバンドの曲です(詳細はWikipediaを参照ください)。一本目なんか『AKIRA』そのままですね。ちょっと『童夢』も入ってるでしょうか。
実はこれ以外にも「まさに実写版『童夢』だ」と評判の映画があります。タイトルは『Chronicle』といい低予算、キャストは無名ながらも評価が高く、これがあれば実写版『AKIRA』はもう作らなくてもよくね?なんて声もあったりなかったり。正式な日本公開日は未定のようですが楽しみで仕方がない一本です。
]]>【Zelda Medley- Lindsey Stirling】
リンクのコスプレ姿で「ゼルダの伝説」メドレーを踊りながらヴァイオリン演奏するパフォーマンス、凄いっすねこれ。リンジー・スターリング(Lindsey Stirling)さんという方だそうで。アメリカのオーディション番組やYouTubeにアップされた動画で披露したパフォーマンスが話題になったということのようです。この言い方が適切かは分かりませんが、異常にハイレベルな「演奏してみた」動画って感じですかね。
しかし「ゼルダの伝説」関連の動画は以前に話題になった実写映画の嘘予告といい、やたらとレベルが高いものが多いですね。それだけファンもたくさんいるということでしょうが。特に海外の「ゼルダ」コスプレではゼルダ姫はもちろん、リンクも女性が扮しているケースが多く完成度も高い印象があります。リンジーさんも大変似合ってるし。
ついでにもう一本。これは特に何かに扮してるというわけじゃなく彼女自身のPVみたいです。
]]>カーズ2 ブルーレイ(3枚組/デジタルコピー & e-move付き) [Blu-ray]
予告編⇒ http://www.youtube.com/watch?v=p_gwJIkrtAI
評判があまり良くないと聞いていたがさすがにピクサー、アニメとしては相変わらず高品質、大したもんだ。バイオ燃料をお話に絡めてるのは時代だよねえ。スパイ・アクションとしても良く出来てるし楽しい…んだけど、これを『カーズ』でやる必要あったのかなとは思う。これに限らず最近は妙に007リスペクトな映画が多くて、映画監督として一度は007をやりたいと思うものなのかしら。いや自分も好物ですけどね。今回の主役はメーターで、彼を好きかどうかも評価が分かれるポイントかもしれない。いや、気の良い奴ではあるんだけど正直ウザいからなーアイツは(笑)
ブルー 初めての空へ DVD&ブルーレイセット(初回生産限定)
予告編⇒ http://www.youtube.com/watch?v=lDsvbki-3IM
日本では残念ながら予定されていた劇場公開が流れ所謂DVDスルーに。つくづく残念で勿体ないなーと思わせる楽しい作品だった。カラフルな色彩、ミュージカルパートの楽しさ、飛翔シーンのわくわく感。そしてロマンス(女の子に完全に見透かされてたけど)。劇中で“ロマンティックな場面ではライオネル・リッチーかけときゃ大抵うまくいくよ”というのが可笑しかった。う、うん、そうだね。
9<ナイン>~9番目の奇妙な人形~ コレクターズ・エディション [DVD]
予告編⇒ http://www.youtube.com/watch?v=pKZ_Qsz2htA
元は短編アニメだったものを長編として仕立て直したそうな。CGアニメとしての質はとても高い。アクション等の見せ方も各キャラクターそれぞれの描き方も上手だ。もしも自分に手芸の才があったら登場するキャラクターたちを作ってみたくなったろうなーと。物語の舞台は人類滅亡後の未来なんだが、全体的にクラシカルな雰囲気だった。ラストに希望(あくまで人類にとって)を見出すも良し、その逆でもかまわない(自分はこっち)。受け止め方はお好みでいいと思う。
実はもう一本、『カンフー・パンダ2』を見たのだけどパート1の感想と併せて別に書きます。
]]>【PAC-MAN The Movie (The Fan Film)】
遠隔操作可能な兵器として開発されてるんだそうですよ、パックマンが。サイバーアタック用なのかな、現実世界で使用可能には見えんのだが。開発者の博士が日系だったり劇中のアナウンスに日本語が使われていたり、ちゃんとリスペクトを感じる辺りも嬉しいですね。
]]>予告編⇒ http://www.youtube.com/watch?v=DGHTbMI4h8E
キャストもなかなか豪華なのに扱う題材ゆえかアメリカでは劇場公開されず所謂DVDスルーになった。主要三都市に核爆弾を仕掛けたと言うテロリストに対し、捜査当局が招聘した男はいささかも躊躇うことなく拷問を実行する。既に一線を踏み越えた者と対峙した時、「大の虫を生かして小の虫を殺す」決断ができるか? さもなきゃ負けだぜ?と問われたら自分はどう答えるだろう。再生開始時に異なる2バージョンから選択できる仕様だが日本公開版をオススメする。ラストのシークエンスが有ると無しでは観終えた際の印象が全く別物になるから。
予告編⇒ http://www.youtube.com/watch?v=Dj6zCJyTq2I
人里離れた極寒の地で幼少時から人間兵器として育てられた少女が戦いの果てに何を見出すのか、というお話。バイオレントな「ラプンツェル」かな。おとぎ話(子供向けに残酷な部分を削っていない)だよ、というのは端から明示してるし狙いも分かる。映像や音楽の使い方、アクションも凝ってるんだが各要素が上手く溶け合っていないように思えた。退屈に感じる部分も結構あったのでちょっと自分には合わなかったのかもしれない。残念。ところでこういった「戦う美少女」という題材を好むのは日本(特にオタク界隈)だけかと思ったが世界共通なのかもしれない。
予告編⇒ http://www.youtube.com/watch?v=aIXZl7h1V2k
原作は韓国のコミックらしいが監督はこういう題材が好きなんだろうなあ、前作も似たような映画を撮ってたし。一応はヴァンパイアものなんだが、それ以外にも色々な(ディストピアものや西部劇の)要素がごった煮的に混ぜ込まれた妙な味わいのある映画でなかなか楽しめた。登場するキャラクターの中ではマギー・Q演じるプリーステスが良かったな、格好良いのに主人公への秘めた想いに悩んでみたり。
予告編⇒ http://www.youtube.com/watch?v=RdjFzwCY5XM
劇場公開時に見逃してしまったのでフォロー。2009年(日本公開は2011年)のドイツ映画。主人公が経営するレストラン「ソウル・キッチン」を舞台に悲喜こもごもが描かれるコメディ、楽しかった。インタビューで監督が「ハリウッド映画の脚本の先生に褒められるような内容にした」みたいなことを語っていたが、他の作品はもっとくせが強いんだろうか。いずれ見てみよう。
]]>予告編⇒ http://www.youtube.com/watch?v=YY5NDRN3GhU
たまたま知った日本未公開のデンマーク製ジュブナイルSFホラー。邦題とジャケ写からは完全にパチもの臭が漂ってるんだが、いやあ、これは意外な拾い物だった。少年ドラマシリーズみたいな感じで日本でもやってくれたらいいのに。子役たちがみんな良い。めんこい。途中まで女の子だと思ってたら実は男の子でしたなメガネ君とか、なんなのその可愛らしさ。子供たちの訴えに耳を貸さないどころか敵役である謎の女教師に「いやあ、先生におまかせしますよ~」と積極的に差し出す大人たちというのはある意味定番なんだが、それにしてもこの映画の大人たちは揃いも揃って信じられないほどのバカに描かれてたのが興味深い。特に主人公の父親が酷かった。他には怪しさ大爆発な女教師がもう少し魅力的だったらなーと(強いんだか弱いんだか分からんし)。そうすれば周囲の大人たちが彼女に魅了され妄信することに説得力が出たのに。
予告編⇒ http://www.youtube.com/watch?v=afT1fAwSr-Q
地味ではあるがなかなか楽しめた。超能力者と彼らを管理する政府組織との戦いを描くサイキックアクション、かな。安直かもしれないが『七瀬ふたたび』や『ファイアスターター』、あるいは『スキャナーズ』等を連想させる。オール香港ロケというのが珍しいが無国籍的な効果が上手く出ていた。キャストは皆良かったが、とりわけダコタ・ファニングがほぼ一人でこの映画を引っ張っている印象。アメリカではコケたそうなので続編は難しいのかもしれない。ちょっと勿体ない気もする。ストーリーの鍵を握る女性の能力"Push"(題名はそこから)は相手の意思や記憶を操るというもので、そういえば『ファイアスターター』でも同様な能力を“押す”と表現していたが定番なんだろうか。
予告編⇒ http://www.youtube.com/watch?v=D6WOoUG1eNo
刑事ものアクション映画に出てくるような悪党ではなく、本当にろくでもない悪党は他にいるだろ? そうさ金融業界だっ!…てなお話です。まあね、確かにそうだし題材としては実に現代的で結構だ。カースタント等のアクションは本格的だしキャストはゲストも含め豪華、笑える部分もちゃんとある。あるんだけど、ねえ。この映画で言いたいことはラストのモノローグとエンドクレジットにまとめてあるからそれを見てくれ!ってことなのか? それとも風刺コントを手間隙かけて無駄にスケールアップした部分こそ笑いどころだよと言いたいのかな。いやそれはさすがにあんまりだろう。
グリーン・ランタン ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産)
予告編⇒ http://www.youtube.com/watch?v=7-GO9fo9DtM
DCコミックの人気ヒーロー、らしいんだけど恥ずかしながら自分は名前を聞いたことがある程度。おかげで先入観なく見られたのは良かったのか。前任者からパワーと役目を受け継いだ主人公が真のヒーローとなるまでのお話。イメージしたものを実体化させて戦うとか面白かったが、全体的にテンポが悪かったような気もする(良く言えば丁寧ってことなのかもしれん)。主人公が抱えた屈託(とはいえ基本は能天気なんだけど)は、大好きだった父親の死に端を発したはずなんだが、その辺りがどうにも上手く処理されていなかったような印象もある。シリーズ化を見越した締めくくりはお約束、でも興行的に成功とは言えない結果だったらしいので果たしてどうなるか。
]]>3月中に見た本数:16本、鑑賞時間:1418分らしい。さすがに16本は多いので分割で。
アイ・アム・ナンバー4 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
予告編⇒ http://www.youtube.com/watch?v=oP6zhpST3Ro
原作はシリーズ物のSF小説、映画化に際しても当たればシリーズ化の構想はあったはず。そのためか「俺たちの戦いはこれからだ」的なプロローグというかTVシリーズのパイロット版のようだった。全体的には学園(青春)ものという雰囲気が強い。クライマックスのアクションシーンはなかなか見応えあったが主人公が割と呑気なので緊迫感が無いのが難点(一刻の猶予も無い大変な状況で写真を現像したりして)。それもあって主人公と同属の戦うカッコいい美少女ナンバー6(と犬)がおいしいところを全部持っていってしまった。さて続編はあるんだろうか。
予告編⇒ http://www.youtube.com/watch?v=NhYH26KTNbQ
設定やストーリーの辻褄なんて端から合わせる気ゼロな映画だが、それでも「おいそれ忍者じゃねーだろ」と突っ込んでおきたい。肉体を駆使したスタントは確かにすごい。パルクール(フリーランニング)の凄い人たちを招聘したりかなり力が入っていて大したもんだなあと。銃撃戦、爆発、盛大にほとばしる血飛沫に切り株描写(ほとんどCGだが)もあるので、そういった要素が好きな人なら楽しめるのでは(そのためR18+指定になってます)。もしも今、若い頃の真田広之のような日本人俳優がいてくれたらなあ、と思わずにいられない。ショー・コスギ演じる敵の親玉との一騎打ちを別の形で見てみたかった。
ベオウルフ/呪われし勇者 ディレクターズ・カット版 [Blu-ray]
予告編⇒ http://www.youtube.com/watch?v=v9qpqyO_dmU
この映画は一応3DCGアニメーションに分類されるもの。監督のロバート・ゼメキスは2004年の『ポーラー・エクスプレス』以降、この手法に可能性を見出しているそうだが、では彼が目指す到達点はどこか、それは本当に観客が観たい映像なんだろうか。そんなことをつい考えてしまうのだよなあ。最近では『タンタンの冒険』にも感じたが、この手法の凄さは認めつつどうしても馴染めない自分がいる(所謂「不気味の谷」とは少し違うのだが)。映画の内容としてはクライマックスのドラゴンに関する描写がとても良かった。そしてすぐ裸になりたがるベオウルフさんが可笑しい。
あるいは裏切りという名の犬 DTSスペシャル・エディション [DVD]
予告編⇒ http://www.youtube.com/watch?v=6EP4RB7Uzpc
遅まきながらやっと観た。2004年のフランス映画(日本公開は2006年)、この手の邦題のはしりでもあるのかな。実は「かつて同じ女を愛し親友でもあった」という過去の因縁と、それゆえに抱え込んだ屈託に関してはキャッチコピーやあらすじで強調されるほどには描かれていない(台詞等で匂わす程度)。それが悪いわけではないのだが、二人の男たちが相対した際に音を立てて軋むような感情の昂ぶりが特に終盤においてあるはずで、そこがいまひとつ弱い気がしたのが少々残念。
]]>※なお今回はネタバレにあまり配慮してません。
あしたのジョー <Blu-ray>スタンダード・エディション
今回の映画で描かれるのは力石戦をクライマックスに、一旦ドヤ街を離れたジョーが再び帰ってくるまで。その意味ではテレビ版を再編集し劇場版として1980年に公開されたアニメ版『あしたのジョー』一作目とほぼ同じですね。どの場面を残しあるいは削ったのか比較するのも面白いかな、と劇場版アニメを見直そうかと思ったんですが150分もあるので止めました。興味がある方は見比べてみてください。
では本題に。先ずはキャスト関連から。プロボクサー顔負けなトレーニングを積みきっちり体を作って臨んだジョー役の山下智久、力石役の伊勢谷友介の二人には素直に感服します。大したもんだ。熱くなれなかったと書いた試合のシーンですが、二人を中心にカメラがぐるぐる回りながらボディを叩き合うとこは「お、良いじゃないか」と思いましたしね。でもジョーのクロスカウンターや力石戦での決まり手となるアッパーのシーンは間が抜けた感すらありお世辞にも良いとは言えません。他にも試合シーンはありますが尺を取ってじっくり見せる(つまり見せ場の)試合に限ってビミョーになる。これには理由があって、決めのパンチを繰り出す、あるいは相手に当たるインパクトの瞬間などスローモーションを多用し過ぎているんですね。時にはCGも使って顔がゆがむ様を再現したり。アニメ版の表現を積極的に取り入れたのかもしれませんが、逆に間が抜けた印象に繋がってしまったように感じました。
キャストのことをもう少し。予告等を見て最も不安だった香川照之演じる丹下のおっちゃん、なにしろあのメイクですから安いコスプレショーになってたらどうしようとか考えてて。これが意外にも悪くなかったんです。それどころか主要キャスト中、最も拳闘が様になっていたという驚き(ご本人は熱狂的なボクシングファンでもあるそうで)。失礼なこと考えててすみませんでした。次に不安だったのが香里奈演じる白木葉子、これは懸念が当たってしまったかなーと。やはりイメージが違う気がします。そしてこの映画での最大の変更点がこの白木のお嬢さん絡みで、後述しますがそこを変える必要あったのかなーと最後まで納得がいきませんでした。
『あしたのジョー』は熱狂的に支持された伝説的な作品です。原作の完結が1973年、最終回まで描いたアニメ『あしたのジョー2』の完結が1981年。アニメの完結から数えても30年前の作品を今、わざわざ実写映画化するわけです。さらに予告では「この時代の若者にジョーはいるか?」というキャッチコピーまで使われていた。そこまで言うなら製作サイドには明確な意図なりメッセージがあるんだろうと。しかしですね、最後まで見終えても何を訴えたかったのか自分にはさっぱり見えてこなかったんですよ。丹下のおっちゃんにコスプレぎりぎりのメイクを施したくらいですから原作を忠実に再現しようとしたことは確かで、それは舞台を現代に置き換えるといった安易な変更をしなかったことでも明らかです。つまり原作同様、1960年代後半を舞台にしているんですが、現代の観客に訴えかける何かを込められないのなら見た目だけ器用に再現した時代劇でしかないでしょう。かつて同時代の若者を熱狂させたジョーたちの生き様を通して再び現代に切り込むことができないならノスタルジーに特化・偏重した『ALWAYS 三丁目の夕日』の方がまだマシです。
他に幾つか気になった点などを。一つは先にも書いた白木葉子に関する変更です。彼女は白木財閥のお嬢さまですが、この映画では彼女もまたドヤ街出身である(白木家には養女として迎えられた)となっています。つまり出自に関する部分が大きく変えられたわけですね。これね、変更する必要があったのかなーと。葉子に関するドラマを膨らませたかったのかもしれませんが、あまり上手く機能してなかったんです。さらに言えば、身分も気位も高い女と野性味溢れるアウトローな男との関係、これって梶原一騎作品の特色であり重要なモチーフだと思うんです。わざわざ変更するならもっと活かして欲しかったですね。
またこの映画で描かれるのは極めて狭い範囲なんですね。具体的には冒頭の少年院、丹下ジムを中心とした泪橋やドヤ街周辺、あとは試合会場(リングやロッカールーム)、せいぜいこの程度です。ジョーたちが生きた時代がどんなものだったかなんてさっぱり伝わりません。象徴的なのは丹下のおっちゃんがジョーに向かって“わしとお前とでこのなみだ橋を逆に渡り、あしたの栄光を目指して第一歩を踏み出したいと思う”と語る有名なシーンです。彼らが目指す栄光が、なみだ橋を逆に渡ったその先の景色が一切映し出されません。別にドヤ街とは正反対の街並みが「あしたの栄光」だと言うわけじゃないですし、当時の街並みを(たとえCGであっても)再現するのは大変だという事情も理解しますが、ここはやはりね、バーンと見せて欲しかったなーと。
おっさんの繰り言みたいな感想になりました。映像化に関してはアニメ版という優れた前例を知っているだけに点が辛くなったのは否めません。逆に原作もアニメ版も知らない若い人たちにこそ伝わるものがあるのかもしれないですね。
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