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TVアニメ感想(『黒神 The Animation』第16話まで) [アニメ感想‐TV]

録画分の消化。これも既に放送は終了してしまっている。当初から乗り切れなさを感じてはいたが、総集編を挿んで後半に突入すると視聴意欲が一気に下がり、録画はしてあるが見ないという状態に。結局はそのまま最終回を迎えてしまったし感想としても時機を逸したが(前回の感想からは2か月以上経った)、けじめとして最後まで見通そうと思う。

黒神 The Animation [公式サイト]

完結していない漫画が原作なので仕方がないが、アニメ版『黒神』は独自の展開となったそうだ。中盤の敵役であるメガネ君はアニメ版のオリジナルキャラだし。また彼が敵役として動いていた時は作品的に一番ダレた部分でもある。物語のきっかけにして主人公クロの動機そのもの、いわば真のラスボス獅子神黎真が途中退場し、終盤に再登場するという変則的な構成がマイナスに働いた印象だ。これでドラマとしての軸がぶれてしまった。この辺りから急速に視聴意欲が減退し始め、途中まで見ては放置を繰り返した。

他にもう一点、気分が乗らなかった理由がある。それは『黒神』の売りでもあるアクションシーンだった。基本的には格闘技ベースなんだが、イクシードという必殺技を頻発するようになってからアクションの質がはっきりと落ちた。『ドラゴンボール』で言えば皆がかめはめ波を出しまくる状態だ。仮に界王拳でもスーパーサイヤ人化でもかまわないから肉弾戦であれば印象は違ったのに。そして必殺技なだけに専用に作画されたものが使われる。つまりバンクシーンだ。それも何度も。バンクシーンはロボット物やヒーロー物でよく使われるしそれ自体はかまわない。だが1話の中でここぞという見せ場に使うから良いのであって、『黒神』では敵と戦うたびに何度も挿入され流れを分断するもんだから、仕舞いにはげんなりしてしまった。作画の負担を軽減し、同時に尺を稼ぐための苦肉の策とはいえ、もう少し何とかならんかったのかなーと。

第14話「突破口」

メガネ君が自分の地位を磐石にするため、サブである魁音寺のお嬢さんと政略結婚を、という展開。大義名分のためには多少の犠牲は当然という、悪役らしさを際立たせる狙いだろう。本筋とは離れるが以前から気になっていること。慶太のじーちゃんについて。彼は琉球空手(たぶん)の遣い手らしく、沖縄編ではクロに稽古をつけるシーンもあった。しかしその後、戦いの中でクロがそれを生かしている様子はない。敵が元神霊とマスタールートのペアであり戦力差は歴然だから、少しでもそれを縮めるために習った琉球空手を応用する、とかあるのかなーと思ってたのに。あのシーンは結局なんだったんだ。じーちゃんだって居る必要がないじゃんか。茜の前に現れる魁音寺のお嬢さん。自分の置かれた状況を覆すためにマスタールートである茜を殺しマイナスルートになろうと。サブとしての運命に抗うという意味で慶太とは真逆な決断、どうなるか。

第15話「修羅」

茜に銃をつきつけ迫る魁音寺のお嬢さん。彼女に対して茜が同情的なのは慶太と重なって見えるから、というのは当然だが、自分がいなければと涙まで流すのはちょっとしっくりこなかった。メガネ君は逆に魁音寺のお嬢さんを文字どおり蔑視する。悪役として実に分かりやすい。さて、茜救出に奔走する慶太たちの前に新たな元神霊が(余談だが対決の舞台がまるで『AKIRA』のベビールームみたいだ)。彼の契約者であるマスタールートは第1話でトラックに轢かれて死亡した女の子(のドッペル)だった。最強の容量(テラ)を持つ契約者ねえ。成長して容量(テラ)を浪費していないからキャパがでかいと。じゃあ理屈では赤ん坊が一番強いってことか。いっそ魁音寺グループで産科の病院か保育所でも経営すりゃあ効率良いじゃん。コンビニなんて回りくどいことせずに。

慶太の身を案じ戦えないクロ。機転を利かせ敵の頭上の天井を破壊する慶太、偶然にもそこは茜たちのいた部屋の真下だった...って怪我するよあれじゃ。ビルの屋上に逃れた慶太たち。茜たちをヘリで逃がすも彼らの前にメガネ君が立ち塞がる。そしてメガネ君は切り札を用意していた、で次回へ続く。

第16話「崩壊」

メガネ君が用意していたのは慶太のマスタールートだった。「切り札は最後まで取っておくものだ」なんてカリオストロ伯爵みたいだなメガネ君。二人は互いの主張をぶつけ合うが、うーん、どっちもどっちだな。『黒神』が盛り上がらんのは敵味方双方の訴えるものに共感できないからなんだよな。あんた達何言っちゃってんのと。戦いが再開するが、前回登場した新しい元神霊はあっさりと撃破される(あの最期には笑えたが)。そしてメガネ君との直接対決へ。メガネ君の元神霊が繰り出すイクシードは何だかもう、かめはめ波かギャリック砲みたいだ。離れた橋とか吹っ飛ばしてたぞ。ここまでくると興ざめもはなはだしい。

しかしマスタールートがそばにいるだけでサブにとってはエナジードレイン効果があるなんてびっくりだ。ここの場面で容量(テラ)に関する疑問というか矛盾がはっきりとする。いかにマスタールートが膨大な容量(テラ)を持っていたとしても、あくまでサブに比べればという相対的なものだ。例えるならダムと浴槽みたいなもので、どちらにせよ汲み上げ続ければいずれは涸れる。そのタイミングが早いか遅いかの違いだけ。んで今回クロと慶太がやったことは源泉掛け流しではなく循環ろ過方式に切り替えました、みたいな。うーん、それだと容量(テラ)の総量はやはり変わらないし、むしろ質そのものが劣化しちゃうんじゃないのか。元神霊×マスタールートを凌駕できるとは思えんが。まあクロには何やら秘密がありそうだが。

何にせよメガネ君との決着が付いた途端に急展開、清き処とやらが顕現してくる。その影響でメガネ君たちマスタールートも何故か力を失ってしまう。いやあ、メガネ君の凋落っぷりが気の毒なほどだった。クロの兄貴も再登場し物語はいよいよクライマックスに向かい始めた。いささか風呂敷の畳み方が乱暴だけどね。

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