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映画『リアル鬼ごっこ』 [映画感想‐邦画]

レンタルでの視聴、怖いもの見たさで借りてみたが想像していたよりも酷くはなかった。2007年制作(日本・98分)、公開は2008年、監督・脚本:柴田一成、原作:山田悠介(『リアル鬼ごっこ』)、出演:石田卓也、谷村美月、大東俊介、松本莉緒、吹越満、柄本明ほか。制作費は1億円とのこと(広告費用等を除いた純制作費は知らない)。今どきの邦画の水準としては標準的なのかな、極端に安っぽくはなかった。同名の原作小説は2001年に自費出版で、2004年には改定版の文庫も刊行されたようだ。自分は未読だがベストセラーと言っていいんだろう。

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何しろその内容(メインプロットや文章自体)がおよそあり得ない酷さ、と妙な評判を呼んだ小説の映画化だ、さすがにそのままでは難しかったのか基本設定だけを残してほぼオリジナルな内容になっているそうだ。自分は未読なので単純な比較は出来ないけど、小説も読んだ人からは概ね好意的に受け止められたと聞く(どれだけ酷かったんだ原作は)。オムニバスドラマ『世にも奇妙な物語』の一篇と言われれば納得してしまいそうな内容だった。

パラレルワールドというSF的な設定を安直と取るかは人それぞれだが、映画のオチにも絡めてあって決して悪くはない。作中で行われる命がけの鬼ごっこの期間は一週間だが、主人公が平行世界に飛ばされ強制的に参加させられるのは5日目からとしたのも上手いと思う。捕まれば死ぬ、だから文字どおり死に物狂いで逃げる。ルールでは乗り物を使うと無条件に死刑らしくひたすら走る、追う方も逃げる方も。この単純な身体アクションが面白かった。鬼は対象を捕捉するGPS機能を装備していてその描写がまんま『ターミネーター』なんだよね。え、いまさら? と思わなくもないが追われる→逃げる(命がけ)という構造が同じだものな。

終盤に差し掛かってオチに向かう辺りから映画自体が失速してしまうのは残念だった。ひたすら走っていたあの疾走感のままエンディングまで行けば良かったのに。ラストシーンのくだりも蛇足に思えてしまったし。こういうのが好きなんだろうな、というのはよく分かるんだけど。あとは画面がね、ビデオ撮りの限界なのかもしれないが、暗いところはつぶれ明るいところ(特に衣装や壁などの白)は飛んでしまう。自分は家のモニタで見たが映画館のスクリーンではどうだったのかな。

主役を演じた石田卓也、どこかで聞いた声だと思ったら『時をかける少女』の千昭役だったのか...と思ったら妹役の谷村美月もそうだった。友人役の大東俊介も悪くない、モデルさんでもあるのか、さすがイケメン。でも柄本明はなあ、怪演ではあるんだが別の俳優さんの方が良かったんじゃないか。細かい部分には突っ込み放題な映画だけど意外なほど楽しめた。

【2011/09/04 18:33追記】『リアル鬼ごっこ2』の感想も書きました。
http://chokusin.blog.so-net.ne.jp/20110904

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