2010-08-15 Sun 映画『ホワイトアウト』 [映画感想‐洋画]
レンタルで視聴、日本でも『アンダーワールド』シリーズで知られるケイト・ベッキンセイル主演のサスペンス。率直なところを言えば少々物足りなさを感じる内容だったか。ちなみに織田裕二主演の同名邦画(及びその原作小説)とは一切関連はありません。・・・言うまでも無いか。
外界から隔絶した南極基地を舞台に、殺人事件の謎を追うというあらすじ。ミステリで言えば「絶海の孤島」、「吹雪の山荘」系のお話に近いか。観る前は南極基地繋がりで『遊星からの物体X』っぽいのを勝手に想像してたんだけど、全然違って普通の(というのも変だが)サスペンス映画だった。監督のドミニク・セナは『60セカンズ』や『ソードフィッシュ』が結構好きだったので、大外れはないかなーと思ってたんだが、先にも書いたように正直微妙、物足りなさを感じる出来ではあった。主演のケイト・ベッキンセイルは相変わらず美人さんだしサービスショットのシャワーシーンもあるし、彼女目当てで観るのもまあ、ありっちゃありか。
なにせ南極基地が舞台だから真犯人が外部の人間の可能性は薄い。基地内の誰が・・・という疑心暗鬼サスペンスがメインかなと思ったら、主人公たちは結構気楽に他国の基地へ(捜査に)出かけたりするので、サスペンスも盛り上がりきらない感じ。他には南極に特大の嵐が近づいて、数日内には脱出しないと半年間は南極に留まらないといけなくなる、それまでになんとしても解決しなければ、というタイムリミット・サスペンスの要素もあるのにこれがまた、全然ピリピリした感じがないんだ。脚本に4人も名を連ねてるのにね。どうなっとんのと。
真犯人は割と早い内に予想できるし、最終的な特定に至る要素の提示もあまりフェアな見せ方ではない。南極という文字どおり究極の閉鎖空間、その舞台を活かしきれなかったことは残念。・・・なんだか悪い部分ばかり書いてるが、101分という短めの尺も手伝って最後までダレはなかったので、気楽に観られるサスペンスとしてはいいんじゃないでしょうか(我ながら無理矢理だな)。
実はこの映画にもグラフィックノベルの原作があって、その作者はボディーガードのアティカス・コディアックを主人公とするシリーズが人気のグレッグ・ルッカだったりする(自分もそのシリーズは好き)。そういえば著作の解説でいわゆるアメコミ原作も手懸けてると書いてあったな、すっかり忘れてたが。一時期(今もか)、日本の映画やドラマは漫画原作ばかりだと批判もあったが、海外も変わらんよなーと。
これがそのシリーズ第一作、最近完結篇となる第七作目も発売されました。おすすめ。
織田裕二出演の邦画を思い出しました(^_^;)
密室劇と思いきや、違うんですね。
邦画の映像化って今でも漫画原作が多いですよね。
既に映像イメージ化(漫画として)されているので、
作り手側としてもイメージの共有がやり易いのかもしれないですね。
でもそれって、イメージを湧かせるようなオリジナルな作れないって事の裏返しにも思えてしまいます。
by arkstar (2010-08-16 08:21)
>arkstarさん
やっぱり連想しますよね、織田裕二の方
公開当時は「日本版ダイ・ハード」と宣伝されてましたっけ。
>漫画原作
邦画ばかり責めるのもあれですが、どうしても企画自体に安易さを感じるんですよね。
キャスティング優先で原作を超えるものを作ろうという覇気がない印象で(邦画は特に)。
takaoさん、xml_xslさん、arkstarさん、kotobukimaruさん、
nice!をありがとうございます。まとめてのお礼ですみません。
by chokusin (2010-08-16 22:11)