2009-12-25 Fri 荒川弘『鋼の錬金術師』第24巻 [漫画]
第23巻巻末において「暗転の第24巻」と予告されていたとおり、エドたちが一転、窮地に立たされる展開になった。それにしてもキング・ブラッドレイ、腹立つくらいに強い。
巻頭の対スロウス戦では筋肉オヤジ二人のタッグ、「友よ!!!」「立て!!!」の流れに笑った。そして最強(凶)の主婦、イズミ先生も相変わらずの貫禄。しかし嬉しい展開もここまで。地下を舞台に描かれる「父」とホーエンハイムの対決あたりから雲行きが怪しくなり始める。キング・ブラッドレイの再登場によるクーデター部隊の劣勢、そして遂に発動した「五つの頂点を持つ錬成陣」に呑まれるエドたち。うわぁ、これはヤバイよ。鬱な展開にまっしぐらじゃないか。
ここに至るまで何度も読まされたが、たとえ主人公であっても都合よく物事は進まない、楽して解決できることなど無い、汗や涙、時には血を流した末にやっと指先が届くのだ、という作劇上のスタンスは徹底している。ましてやこの漫画では等価交換、何かを得るには何かを失うということが大前提だ。最悪、エドやアルですら終幕において退場することだってあるかもしれない。作者の言う少年マンガとして譲れない一線がどこに引かれているか次第、なのかもな。
本編とは離れるが、巻末に収録された(おそらく書下ろしの)Wii用ゲームソフト『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST -黄昏の少女-』宣伝マンガ、すごい面白そうなんだけど。作者自らここまで気合入れて宣伝に協力するって珍しいような気がする。このゲームって荒川弘はどこまで関与してるんだろ。原案とか脚本協力、なんだろうか。
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