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西谷史『黄金の剣は夢を見る』 [本‐小説]

積読を消化しようと山の中から発掘、いつ買ったんだっけこれ。

黄金の剣は夢を見る (ルルル文庫)

黄金の剣は夢を見る (ルルル文庫)

  • 作者: 西谷 史
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/05
  • メディア: 文庫

カバー裏のあらすじから、ああ学園ミステリーというやつなのかと興味を持ったんだった。

通称キューちゃんこと弓里夏美(ゆみさとなつみ)は三崎高校の新一年生。ひょんなことから親友のアリスとともに歴史ミステリー研究部に入った彼女は、三崎市に伝わる歌の謎を調べることに。その一方、夏美は同じクラスでクラブも同じの相馬くんが気になっていた。どこか他の子と雰囲気の違う彼に惹かれていく夏美だったが、ある出来事をきっかけに彼は人が変わったようになって...。恋と謎が交錯するミステリー。

ルルル文庫って初めて知ったんだが、ガガガ文庫の姉妹レーベルで、どちらかといえば女の子向けということらしい。買う前に確認しときゃよかったな。というのもですね、女の子向けかどうかはともかく、この本の対象年齢はぎりぎり中学生までだと思えるからだ。少なくともおっさんが読む本じゃない。

主人公をはじめ、キャラクターたちは皆生き生きと描写されていて好感が持てる。主人公たちは高校生だが、とても高校生とは思えないほど屈託がない。あまりにも真っ直ぐすぎて気恥ずかしくなるくらい。恋愛要素も出てくるんだが、なんというか「グループ交際」なんて言葉がぴったりくるような純朴さでなあ。それこそ一昔前どころか二昔前のジュブナイルを読んでる気分で、おっさんとしてはちょっと背中がむずむずしちゃいましたよ。そのくせクライマックスで明らかになる某キャラクターの抱えた事情がえらく生々しくて、そのギャップに少々戸惑ってしまう。クライマックスといえばもう一点、唐突に伝奇SFになっちゃうのでびっくりさせられる。

ミステリーの要素もそれほど多くない。宝探しに関する謎解きがちょっと出てくる程度だが、それにしたって登場人物たちがさっさと解明してくれるので読者としては頭を捻りようがない。殺人事件とかも起きないし。いたって健全な小説です。

否定的なことばかり書いてしまった気もするが、これは自分のようなおっさんが読んだからで、本来の対象読者層である女の子たちなら楽しく読めると思う。実際、シリーズとして続編が2冊刊行されているので人気もあるんだろうし。本というのは読むべき人に読まれないと不幸だよね、ということで。

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