2009-08-03 Mon 映画『アストロノーツ・ファーマー』 [映画感想‐洋画]
レンタルで視聴、評判は賛否ではっきりと分かれるようだが自分は楽しめました。
アストロノーツ・ファーマー/庭から昇ったロケット雲 [DVD]
- 出版社/メーカー: NIKKATSU CORPORATION(NK)(D)
- メディア: DVD
てっきりDVDスルーの作品かと思ったら劇場公開されていた(2008年7月から順次全国で)。自分の地域でも一館だけだが3週間ほど上映されていたようだ。見逃してたなあ。なお劇場公開時の邦題はDVDのサブタイトルになった『庭から昇ったロケット雲』だったそうな。公式サイトがまだ残ってた⇒【公式サイト(日本版)】
この映画はかつて宇宙飛行士としての訓練を受けながらも宇宙へ昇ることが叶わなかった主人公が、独力でロケット(というか有人宇宙船だ)を建造し宇宙を目指すという物語だが、『遠い空の向こうに』よりも『フィールド・オブ・ドリームス』に近い。つまりある意味ファンタジーやホラ話の範疇になる。だから「ありえない」とか「都合よすぎ」と否定するのは的外れなんじゃないかなーと。この映画での嘘のつき方を許容できるかできないかが評価の分かれ目になるはずだ。
自作ロケットで宇宙へ行くなんておよそ実現不可能な夢を抱く主人公を、周囲の人間はやはり変わり者扱いする。しかしそこは小さな田舎町、昔からの知り合いばかりなので手に負えない奴を皆で村八分とはならず、せいぜいが「まったくあいつは仕様がねーな」程度。いつまでも夢ばかり見ていないで諦めろ、家族だっているんだから、とやんわり諭したり。着々と準備を進める主人公は打ち上げに欠かせない燃料を入手しようとすることでFBIに監視されたり、FAA(連邦航空局)から目を付けられたり。さらにはマスコミに取り上げられ一躍注目の的になったりもする。そんな中、家族だけは主人公と共に宇宙を目指す。多少の軋轢こそあるものの最後まで主人公を信じ尊敬し背中を押してさえくれる妻や子供たちの姿は、確かに都合よすぎと言われても仕方がないかもしれん。冷静に考えれば反対する方が当然だものな。まあなんだ、そんなに堅苦しく考えて見ない方が幸せになれますので。
本編中で舞台となるのがいつの時代かは明言されていないが、愛国者法(対テロ法)やスペースシャトル「エンデバー」という台詞がでてくるので、少なくとも2001年以降なのは確かだ。しかしいわゆる「古き良きアメリカ」を連想させるよう意図的にノスタルジックな画作りをしているように思えた。それが「リアルさ」を薄めているのも確かだし興ざめだと感じてしまう人もいるかもしれない。この辺は好みの問題かなあ。ビリー・ボブ・ソーントンをはじめ主人公一家を演じる役者さんは良かった。特に次女と末っ子の姉妹がまあ可愛らしいこと。脇を固める役者さんもいい感じです。他にもう一人、日本でも人気のあるハリウッドスターがカメオ出演してますが、それは見て確かめてください。なかなか素敵なファンタジーでした。
厳密には違うけどロケット絡みで関連作品をいくつか。
遠い空の向こうに 【ベスト・ライブラリー 1500円:第3弾】 [DVD]
- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- メディア: DVD
NASAのマーキュリー計画を描いた『ライトスタッフ』、記事中でも触れましたが小さな炭坑町の高校生4人がロケット作りに挑戦する『遠い空の向こうに』、やはりこの二本は外せない。
MOONLIGHT MILE 2ndシーズン -Touch Down- ACT.3 [DVD]
- 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
- メディア: DVD
他には漫画から。近未来を舞台に人類の宇宙進出を描いた『MOONLIGHT MILE』、その第7巻に収録されたその名も「ロケット・ボーイズ」というエピソード。考えさせられる部分もある素晴らしい物語になってます。自分は未見ですがアニメシリーズの2ndシーズン第6話としてDVDもリリースされてるみたいです。
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