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支倉凍砂『狼と香辛料』 [本‐小説]

7月からアニメの第二期が始まると聞いたので再読。といっても手元には第1巻しかないが。しかも評判が良かったので購入したものの長いこと積んだままだった本。約一年前に某SNSに書いた感想をちょっと手直しして今さら転載。

狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)

  • 作者: 支倉 凍砂
  • 出版社/メーカー: メディアワークス
  • 発売日: 2006/02
  • メディア: 文庫

読みやすいなーというのが率直な感想、もう少しくせがあるかと思っていた。この小説はファンタジーに分類されるものだ。内燃機関などの文明は未だ無く、強い権力を持つ教会による布教が進んでいるとはいえ、かろうじて人々は古くからの土着の神を信じ敬っている、そんな世界。主人公をそこに生きる行商人としたのが目新しく感じた。自分が目にしていないだけで先例は有るのかもしれないが。

主人公の行商人ロレンスは腕っ節が強くもなく、特殊能力があるわけでもない。経験と少しばかりの自負を支えに交渉術で渡り歩く。人智を越えた超能力やら魔法やらで事態を解決しない、というか出来ない。その点が好ましく感じた。ファンタジーらしい部分はホロが一手に担う形になっている。

不満点もあるにはある。行商人としての駆け引きとか交渉術をもっとクライマックスの展開で生かして欲しかった。互いに裏の裏を読むようなスリリングな展開を期待したが、相手が腕力で押してきちゃった感じだったからな。直接ではないが一応、交渉による解決を図りはしたが、正直なところ都合良すぎねーかその展開、と思えちゃったし。作品が違うよといわれれば否定しないけど。

この小説のポイントは、実はそんなところには無い。気に入るかどうかはただ一点、賢狼ホロ、彼女に魅力を感じるか否か。そこだけだ。自分は駄目でした。

十分魅力的に書かれているとは思う。実際、多くの読者を魅了している人気キャラクターなんだから。でもなあ、やっぱり自分には駄目だ。ロレンスが驚くほどあっさりと彼女に惹かれたことがピンとこないし。個人的な好みの問題だとは思うんだが。昔からオタクに愛されてきた、いわゆる「ネコ耳キャラ」に対して全く魅力を感じないんだ俺。逆に何がそんなに良いの?と聞きたいぐらいそっち方面に不感症なので。ホロには大変申し訳ない、彼女に罪は無い。そんな訳で本作は楽しめた。でも続刊に手は出さないと思う。

・・・そして今に至るも続刊には手を出さずじまいだったりする。

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