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TVアニメ感想(『鋼の錬金術師FA』第4話まで) [アニメ感想‐TV]

録画分の消化、2話以降の3回分を一気に。

鋼の錬金術師FA [公式サイト]

第2話「はじまりの日」

第1話に続いて主人公エドとアルの紹介篇という趣だ。原作で言えば第23話、コミックスの6巻に収録のエピソード(の一部)を先回りして見せている。二人が今の姿となったきっかけの事件、エドが国家錬金術師となった経緯、それらを最初期の時点で提示して視聴者に理解させる。これから長く付き合ってもらう主人公たちはこんな連中ですよと。今回のスタッフが想定している視聴者層は『鋼の錬金術師』という作品を初めて見る、という人たちのようだ。多くのファンを持つ著名な(オタク界隈限定ではあるが)作品だから、今さらそんな視聴者が存在するのかは疑問だが、あくまで正攻法で行くという方針ならそれはそれでかまわない。

原作ではある程度ストーリーが進展した時点で描かれた、いわば回想シーンに相当するエピソードで、同時に主要キャラであるマスタング大佐(この時点では中佐)とホークアイ中尉(同じく少尉)に関する掘り下げも同時に行われている。そしてブラッドレイ大総統の前で行われる国家錬金術師の資格試験、このシーンでも本来はマスタングの野心に関する描写があるが、さらっと流していた。先に進んだ時点で改めて描かれるんだろうが、原作を知る者にとっては重複と受け止められかねない。あえてそれをやったという点からも初見の視聴者を意識しているはずだし、その方針は尊重できる(決して以前からのファンを無視しているわけではないと思うし)。今後はなるべく原作もアニメの前シリーズも忘れ、初めて『鋼の錬金術師』を見るような気持ちでいた方がお互いに幸せになれそうだ...が難しいなあ。

第3話「邪教の街」

原作での第1話だがかなり省略した部分が多かった。それ以外にも普通ならカットを割る部分を画面分割で見せることで尺数を節約していた。本来ならこれがエドたちの紹介篇に相当するはずで、前シリーズでは時間を割いて見せていたと記憶している。今回はそれを第2話までで見せてしまったからな。むしろばっさり切ってしまってもいいくらいだ。そうしなかったのはロゼが登場する回だからだろう。恋人と死別し、奇跡の技によって復活させてやるという教祖の言葉にすがった愚かで哀しい女性。このエピソードとキャラクターに愛着を持つファンもいるはずだし、その人たちにとっては駆け足過ぎる展開と描写は不満だったかも。

今シリーズでは主にギャグパートが「そこまでやらんでも」と思うくらい原作に忠実だ。原作ファンにとっては見慣れた激しいキャラ絵崩しも、アニメの前シリーズしか知らず、同時に強い愛着を持つファンには違和感ばかりだろうか。同じ原作を続編としてではなく新たに制作し直すというのはあまり前例がないはずだし、つくづく難しい部分だなーと思わずにいられない。

第4話「錬金術師の苦悩」

ダークファンタジーである『鋼の錬金術師』の中でも、その闇の部分が色濃く出たエピソードで、序盤の(あるいはシリーズ全体でも)屈指の鬱話だ。前シリーズでは確か2回に分けて描かれたと記憶している。原作の終わりがまったく見通せない状態でスタートした前シリーズでは、一つのエピソードを時間をかけて描く(ぶっちゃけて言えば水増しする)必要があったのだろう。それに対して今シリーズは前回の「邪教の街」もそうだったが、よほどボリュームのあるエピソードでなければ1回で終わらせるという構成のようだ。この辺りのペース配分は難しいだろうな。最悪の場合、特に前シリーズのファンからは「薄い」と断じられかねない。

国家錬金術師の証である銀時計、それを手にし「間に合った」と喜ぶタッカー。このカットを新規に入れたことで、若干ではあるがタッカーの人物像が変わってしまったように感じた。自分の妻や娘まで研究の素材としたタッカーは、ある意味(すごく嫌な言い方だが)科学者として純粋なんだよね。だがあのカットを見せられると国家資格(あるいは権威)そのものに執着する俗物に見えてしまう。

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