2009-03-30 Mon TVアニメ感想（『屍姫 玄』第24話と『ドルアーガの塔』最終話）

録画分の消化。

屍姫 玄 [公式サイト（StarChild）]

第24話（玄としては11話）「一〇八の嘘」を視聴、赤紗の過去と屍姫に関わる秘密が語られた。割と早いうちに出てきた「ある年代の少女でなければ屍姫になれない」という理由は、光言宗の開祖が自らの娘を最初の屍姫としたからで、そこに込められた開祖の霊力を源として屍姫が造られているから。そのため開祖の娘と同い年（もしくは近い年齢）の少女でなければ駄目と。ふむ。そうするとお胸様も屍化さえしていれば、その願いどおり屍姫としてオーリの傍にいられたのね。未練が足りなかったのか。でも星村の先祖が北斗を屍化した手法を携えて光言宗に帰依したとか言ってなかったっけ。光言宗ってそもそもいつ頃からあるんだ。開祖ってくらいだから相当昔なのかと思ったが、順序としてはどちらが先なんだろ。

そして108体の屍を倒せば成仏できるというのも嘘でした、逆でーす、制御の利かない怪物化しちゃうんだよーと。そのからくりを知っていた権大僧正は屍姫を使うことに反対だったと。いやー権大僧正と監察官長、二人とも良い人だったのね。赤紗は屍姫の製法とも言うべき秘儀教典と座壇術法により北斗を自らの屍姫としてしまった。いまや契約僧との縁が切れた屍姫たちにはなすすべ無し、と思ったらびっくり。そんなもん無くともアタシらの絆は強いんじゃーい！...ってすげーなおい。今までの設定やら全部ひっくり返してないか。細かい理屈はどうでもいいんだよ、と強引な力技で押し切るのもありっちゃありだし、それ以上に気になった点があったからな。マキナとオーリの主役コンビに関してだけど。

赤紗がかつて恋人であり、死してなお共に在りたいと願った最愛の女性。どれほど彼女を愛していたかと語った時、間髪入れずに「嘘だ」と返したオーリ。いやお前、その返しはないだろうよ（まあこの手のシーンで悪役の台詞に主役が反応するお決まりのパターンではあるがな）。真相を知らない者にとって赤紗は「己の屍姫を手にかけた男」と伝わっていた。関わりを持つようになって日が浅いオーリがそれを鵜呑みにしたとしてもおかしくはない。また赤紗がこの期に及んで口からでまかせを言っていると取ったのかもしれない。だけどさ、お前もマキナに惚れたんだろ。死人に心惹かれるという普通じゃ考えられない感情を抱き、周囲からも止めとけと忠告も受けたが聞き入れなかった。ましてや前回、何があってもマキナを守ると貞比呂に啖呵を切ったばかりじゃねーか。そのお前が赤紗の屍姫への想いを全否定か。違わねーかそれ。

縁が切れても強い絆で結ばれているから大丈夫、というのも他の屍姫たちなら不思議と納得できるんだが、マキナとオーリに関しちゃ「は？」って感じだ。今まで散々言ってきたけどあの二人にそこまで強い絆があることを無条件で納得できるような描写はこれっぽっちも無かった。ここまで24話を費やしているのにだ。この点だけがどうにも納得できない。いずれにせよ次回が最終話だ。どんな締めくくりとなるか。

ドルアーガの塔 the Sword of URUK [公式サイト]

最終話「つないだ手は」を視聴、いまいち納得いかない部分もあるが無事に最後を迎えられて良かった。さすがに最終話、作画も気合が入っていてシリーズ中でも質が高いものだった（前回はどうなることかと思ったし）。ラストの後日譚的シーンでは都合よく主要キャラクターが復活していたりして、死んでしまった脇役たちはどうしてくれるのと言いたくもなるが、ファンサービスなんだろう多分。収まるべきところに収まったと受け止めておこう。

結局ファティナは身を引いてしまった、つまらん。カーヤを引っ叩いたときは「いいぞもっとやれ」と思ったし、もうとことん修羅場ってしまえばいいのになーと。最終話を見ていて一番意外だったのは、ジルとカーヤが割と腹黒いんじゃないのと感じたことだ。その意味じゃ確かにお似合いなのかもしれない。ジルなんか天然で朴念仁かと思ったら性格悪いし（天然だからこそ性質が悪いのか）。ラスボスとなったニーバの方が純粋な男だったものな。それゆえに神に挑もうとしたわけだし。二人の対決シーンではニーバの方に肩入れしてしまった。あんなに嫌いだったのに。ブルー・クリスタル・ロッドの魔力でドルアーガ化したニーバは分かるとして、ジルが突然のように強くなったのはなぜだ。カーヤが強化魔法をかけていたからか。あるいはイシターの加護だったのかね。

いやいや、そんなことは瑣末なことだ。むしろどうでもいい（ひどい）。ウラーゴン団長は? 彼出てたっけな。ラストの辺りにもいなかったような気がする。まさか前回、幻の塔から落っこちた際に死んでましたとか言わんよな。それとも影ギルガメスに止めをさした時か。がーん、すごいショックだ。もうね、ケルブとエタナの結婚とかニーバが生きてるっぽいとかジルとカーヤがどうしたとか知らんわ。ウラーゴン団長のその後を見せろよと。それが無かっただけで評価はマイナス50点くらいだよ自分の中では。

冗談はともかく。不満な点もゼロではないが、半年間楽しませてもらいました。スタッフ、キャストのみなさん、お疲れ様でした。

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