2008-11-03 Mon '08年秋のアニメ新番組感想（その2） [アニメ感想‐TV]
今回は二作品の感想。傾向の似た作品が重なってしまうな。前回感想を書いた『喰霊 -零-』もそうだけど「害を及ぼす人ならざるモノと対峙する存在」を主人公に据えた作品が多い。このジャンルって根強い支持があるのかな。
夜桜四重奏 [公式サイト]
原作漫画は読んでいない。第2話まで見たが、アイキャッチなどに使用されてるのが原作の絵かな。今どきの絵柄だなあと思う。それに比べるとアニメの方は野暮ったい線になってる気がするが、それを差し引いても作画的には特筆する部分はなく無難な印象。妖怪は異界の住人でたまさか人間界に現れてしまい、しかも昔から人間による迫害にあっていた被害者という設定にしている。でも妖怪ってそんなに弱いのか。主人公以外の主要キャラはほとんど妖怪でみんな強いけど。加害者に転じた際に危険度が高いのは妖怪の方じゃないの。話が進むと説明がつくんだろうか。
舞台となる町は（日本のどこかだとは思う）人間界と異界を結ぶ御神木に結界のように取り囲まれ、その特性ゆえに妖怪たちがどんどん流入し、今では世界で唯一の人間と妖怪が共存する町だと。いわば特区なんだけど、国が定めたのか自然発生的なものか、また妖怪たちによる自治のようにも見えたりと、周囲との関係性が今一つ分からない。原作を含め作り手が意図しているかは分からないが、映画『エイリアン・ネイション』のように移民とか外国人居住者の問題とかまで踏み込む予定はあるのかな。せっかくの設定だしやる価値はあると思うが。
主人公に妖怪を成仏させる力を持たせた以上、町の平穏を脅かす、つまり悪さをするのは常に妖怪側としなければ話が成立しないと思うが、基本設定で妖怪は被迫害者としてみたり、主人公も自分の能力や責任に今さらのように悩んだりと話がじめじめしそうで少々不安。第2話を見たから余計にそう感じるんだけど。もう少し見てから決めたいが途中で見るの止めそうだ。
屍姫 赫 [公式サイト（StarChild）]
これも原作漫画は未読。もう9巻まで出てるのか。第３話まで視聴した。第２話から付いたオープニングが格好いいね。やたら登場人物多いけど本編に全員出てくるのか。アニメはガイナックスらしいなあというのが率直な感想。絵柄も原作とはずいぶん印象が異なりガイナックス調のキャラクターになってる。動きとか見せ方とか手慣れた感じで、おそらく大きな破綻はなくラストまで行くんじゃないか。安心して見られると言う意味では良いと思う。
ジャンルの似た二作品、『喰霊 -零-』『夜桜四重奏』と比べて見やすいなと感じるのは、あまりウェットな作りになっていないからだ。今後の展開がじめじめうじうじ方向に舵を切るなら評価も変わるけど（その予感はあるし）。最近のアニメって妙にナイーブというかセンシティブな作りになっていて決して好ましいとは思えない。望む声が多いからそういう傾向の作品が増えるのかもしれんが。自分の裁量でどうにもならないことや採れる唯一の選択が最善の結果に繋がらなかったり、登場人物のそういった懊悩ぶりを見せられてもなあ。若い人たちは共感できるのかもね。その方向に話が進まないことを祈りつつ、ひとまずは視聴を継続することにした。
主役の二人を演じる声優さん（プロの声優ではないらしいが）の評判が良くないと聞いた。そうかな、悪くないと思うけど。確かにプロの声優に比べたら拙さは否めない。でも自分は逆に、いかにもアニメの演技、声質でござい、といったものより新鮮に聞こえて好ましいけどね。男の子役はまあ、もうちょっと頑張れと思わなくもないが、ヒロイン役は十分じゃないのかなあ。そう感じるのも最近の主流から感覚がずれてきた証拠かな。
とりあえず五作品を見てあらためて思ったのは、やはり自分は最近のアニメと合わなくなってきたなということだ。結局は好きだから今後も興味を惹く作品があれば見るけど。面白いと思える作品と一本でも多く出会えたら幸せだ。仮に自分と合わないなと感じる作品を見ても、せめて的外れな批判だけはしないように心がけたい。難しいけどね。
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