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TVアニメ感想(『蟲師』第7話と『かんなぎ』最終話) [アニメ感想‐TV]

録画分の消化。

蟲師 [公式サイト]

第7話「雨がくる虹がたつ」を視聴、今回は生命を持った虹「虹蛇(こうだ)」が登場、美しく不思議で、やっぱり一抹の物悲しさも。雨を避けた洞穴でギンコと虹郎が交わす会話が印象的だ。しかしいつものように苦い後味はなく、まさに雨が上がり虹がかかった空のように澄んだ余韻を残すエピソードだった。虹郎は故郷に戻り兄と共に橋大工を営んでいるんだろうか。

毎回印象的な画が多い『蟲師』だがこのエピソードはそれが特に際立っている。地面から天に向かって屹立する七色の光柱、この「虹蛇」のイメージありきと言ってもいいんじゃないか。自分も空にくっきりと弧を描く虹を見たときは消えてしまうまでその場に止まった経験があるが、自分の眼前に「虹蛇」が現れたらどうだろう。逆に恐ろしくて逃げ出したくなるかもな。ほかには幼い頃の虹郎が父親と連れ立って歩く夕暮れのシーン、ここの背景美術も美しかった。それからギンコが食べてた磯辺餅みたいなの、美味しそうだったなあ。

アニメ版とは直接関係ないがこの「雨がくる虹がたつ」のエピソードは実写版にも採用されているようで、やはり「虹蛇」が現れる映像はなかなかのものだと聞いた。今度借りてみようと思う。

かんなぎ [公式サイト]

最終話を視聴、東京圏では昨年末に放送が終了していたらしいので約1か月遅れになるのか。前々回から続いたシリアス展開にも決着が付き、ひとまずは前向きな形でエンディングを迎えた。実際にはほとんど進展していないけれど原作が完結していない以上、無難にまとめざるを得ないものな。さすが最終話だけあって作画レベルは大変高いもので全13話中でも一二を争う出来だった。男子諸君向けサービスカットの大盤振る舞いだったし。特にキャラクターの細かい芝居は良かったな。CM明けBパート頭のナギが泣き止む辺りは大変可愛らしい(全話通してナギを可愛いと思ったのはここだけだったなーそういや)。鼻水が糸引くとこまで描くのはすごいね、ヒロインなのに。あとはラスト辺り、つぐみのリアクションが面白かった。結局彼女はこういう役回りなのね。でもなあ、最終話を見ていて気持ちは終始引き気味だった。まるで別の作品を見ているようで。

ナギと仁の悩みをシンクロさせる展開は上手いなと思ったが、何というか見せ方としてそれはどうなの、と少し気になった点がある。つぐみに発破をかけられ迷いを振り切った仁が、再びナギを探し自転車を駆るという一連のシーンなんだが。自称神さまという得体の知れない者となぜ一緒に、というざんげパパの問いに対し「ナギと一緒にいることが楽しかったから」と仁は答えを見出す。そこにインサートされるナギと暮らした日々のカットは仁が懊悩の末に導き出した答えを裏づけるものだ。しかしそれらは視聴者が初めて見るものばかりで、ナギと過ごした数々の「思い出」が仁と視聴者とで一切共有されないんだよなあ。どうして12話分のエピソードから引用しなかったんだろ。仮に既存のシーンを新しく書き直したとしても視聴者が共感できる「思い出」を使った方がいいと思うんだ。そのせいか仁に声援を送り二人の再会に喜ぶべきシーンで「どうぞ二人で勝手に盛り上がっちゃってください」と他人事というか置いてけぼり状態なんだよね。

もちろん二人の暮らしっぷりを全て描写できるわけもないし、どんなに近しい間柄でも全てを知ってるわけじゃない(作中のつぐみ達も立場は同じだ)。きっとこんな感じだったんだろうなと想像で補ったり、ああこんな場面もあったんだ、と好意的に捉えるべきなんだろうが。監督の山本寛、シリーズ構成の倉田英之、この両名が作劇上の瑕疵をやらかすとは思えないからあえてやったのかなーと。「所詮あんた達は蚊帳の外なんだよ」という悪意込みだったりして...と考えてしまった。さすがにないかそれは。

全13話をざっと思い返すと中盤辺りの大勢できゃっきゃとじゃれてるエピソードは楽しめたが、序盤と(最終話も含む)終盤はいまいちだったかな。やっぱり自分はラブコメの「コメ」の部分を楽しんでたんだな。

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