SSブログ

新しい『ルパン三世』が新しくなかった [アニメ感想‐TV]

先日放送された第1話を見たわけですが、記事タイトルどおりな感想です。


「ルパン三世」オープニング映像

テレビシリーズとしては30年ぶりだそうで、日本に先行してイタリアでは8月に放送が始まっているようですね。そもそもの企画がイタリアからの要請だったのかもしれませんが、今回ルパンたちが活躍する舞台はイタリア(とその周辺?)になるようです。

キャラクターデザイン等の絵柄を含めたビジュアルはなかなかのもので、さすがに最新のアニメシリーズだなあと。上にも貼ったオープニング映像もカッコいいですしね。テーマ曲はもうお馴染みのやつです。新しいアレンジになってはいますが目新しさはありません。第3シリーズ(ピンクジャケットの)主題歌『セクシーアドベンチャー』みたいな歌曲でも良かったのになあ、とちょっと思いました。その代わりエンディングの曲が良いですね、なんとボーカル担当は石川さゆりという異色のコラボでとっても素敵です。

さて肝心の内容ですが、個人的には「ここまで同じことをやられるとさすがにもういいかな」というのが正直なところです。いや目新しさだけあればいいってものでもありませんし、「ルパン三世」という作品はもはや定番商品みたいな存在になっているわけだから、多くの視聴者(特にルパンの新作を待ちわびているような)がイメージする、これぞルパン三世だというお約束から大きく逸脱することはなかなか許されないのかもしれません。スピンオフとして放送された『峰不二子という女』も割と賛否が分かれていたような気もしますしね。

アニメとは違いますがたとえば『男はつらいよ』シリーズや『釣りバカ日誌』シリーズのように、毎年お馴染みの顔ぶれがお約束の展開をしてみせる、これぞ定番という国民的な作品も確かにあります。観客の期待を裏切ることなく、一種の安心感を与えてくれるような愛すべきシリーズ作品。『ルパン三世』もその仲間入りを既にしているのかもしれません。でもね、俺は寅さんのようなルパンを見たいわけじゃないんだよ、という思いを抑えることができないんですよね。

他には細かいことなんですけど、ある場面で銭形のとっつぁんが逃げるルパンを屋根伝いに追うという、もう何度見たか分からないシーンがあったんですけど、すんでのところでルパンにかわされ屋根の縁から落ちそうになるのを「おっとっと」みたいに腕をばたばたさせて踏みとどまるって描写があったんですよ。いやあ、もう2015年ですよ、そんな描写をいまさらやるのかよと。もうそのシーンを見た時に「あ、もう俺は見なくてもいいな」と思いました。いくら定番作品だからってねえ。

もちろんこのあと話数を重ねるなかで「おお、これはすごい」と思わせてくれる描写も出てくるのかもしれません。でもね、視聴者に「こんな作品(のテイスト)ですよ」と知らしめる役割を持つはずの第1話であんなことをされたらあまり期待はできないですよ。そんなわけで継続視聴はしないことにしました。残念です。

あともうひとつだけ、これは言っても詮無いことなんでしょうが。それはキャスティングのことです。2011年のテレビスペシャルから五エ門、不二子、銭形を担当する声優さんが変更になりました。今回の新シリーズも変更後のキャストです。そんな中で唯一のオリジナルキャストとも言える次元役の小林清志さんがね、さすがに厳しいなあと。御年82歳ですものね、無理はないんですけど。小林さんの声は大好きなんですがそれだけに聞いていてもう辛くて辛くて。御本人は声のお仕事を続けられる限り最後まで次元役を他に譲らないでしょうが。

そんなわけで新しく始まった『ルパン三世』の感想でした。

web拍手 by FC2
ブログパーツ

タグ:ルパン三世
nice!(4)  コメント(2)  トラックバック(0)  | ▲top

nice! 4

コメント 2

コメントの受付は締め切りました
arkstar

TVシリーズはさすがにもう作るのはどうかな?って思います。
TVスペシャルとかで1年に1回とかで良いのかなぁって思います。
ただ、カリ城はルパンじゃないって言われても評価が高いので、見る人の感じ方なのかな。とも。

2011年に不二子の声は変わった時、全く違和感無かったのは驚愕でした(^_^;)
by arkstar (2015-10-11 12:56) 

chokusin

>arkstar さん

誰もが初めて出会うルパンたち、というのはもう無理なんでしょうね
あと個人的には『カリオストロの城』をある種の「呪い」だと思ってまして
その呪いを払拭するような作品になってくれたらなあと期待してたんですよ
今回も叶いませんでしたけれどね
by chokusin (2015-10-11 21:11) 

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。