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映画『パッセンジャーズ』 [映画感想‐洋画]

レンタルで視聴、サスペンス・ミステリーの範疇に属する映画...ではあるんだが。相性が悪いと酷評になる可能性もある。その意味では万人にオススメしづらい作品だった。

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映画全体の雰囲気やキャストも悪くないし、ストーリーにしても「こういうのもありかな」と納得はできる。だが正直なところ感想を書くのに難儀する。少しでも踏み込んだことを書こうと思えば即ネタばらしに繋がるからだ。配給会社の宣伝担当はさぞ頭を悩ませたのじゃないか。そんなわけで、ここから先はネタバレが含まれる可能性を承知で読み進めてください(できるだけ回避しますが)。

乗客・乗員109名を乗せた航空機の墜落事故から映画は始まる。奇跡的にも生存者は5人。彼らのセラピーを依頼されたヒロインは、事故原因に関する航空会社の公式説明と生存者の証言に食い違いがあることに不審を抱く。生存者の内、グループセラピーへの参加を固辞する男性は妙に馴れ馴れしく、初対面でありながらヒロインのプライベートにも言及してみせる。さらには日を追うごとに謎の人物に尾行されていると訴える者や、セラピー参加者が一人、また一人と姿を見せなくなる。陰謀か、あるいは超常現象か。クライマックスで明らかになる驚愕の真相とは...という感じ。

不穏な空気、微妙だが確実な違和感、序盤からの展開はなかなか興味をそそるものだ。この映画の肝は終盤に用意された大ネタ、文字どおりのどんでん返しにある。見終えてから思い返すと若干の強引さや辻褄の合わない部分はあるが、冒頭からきっちり伏線が用意されていたことに気付かされる。サスペンス・スリラーを見慣れた人なら割と早い段階で真相に予想が付くかもしれない。そしてこの真相こそが映画の評価を分けてしまうだろう。人によっては「ふざけんな、金返せ!」状態になる確率は高い。どんな映画か問われた際に、日本でもヒットしたある映画のタイトルを言えば一発で「ああ、あんな感じか」となるだろう(書きませんけどね)。あえてぎりぎりの線で言うならオムニバスドラマ『世にも奇妙な物語』的な題材だ、となるか。

中盤あたりの展開に少々ダレを感じるが、個人的にはなかなか楽しめる映画だった。この映画は日本人の方が受け入れやすいかもしれないな、とエンドロールを見ながら考えた。上手くいえないが、日本人の死生観に合ってるんじゃないかなと。それから最後に余計なお世話を。見終えた後でもう一度、最初から見直してみて欲しい。冒頭の15分程度でかまわない。丁寧に配置された伏線に気付くはずだ。まあ「こんな映画はクソだ」と感じた人にまで強要するつもりはないですが。

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