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TVアニメ感想(『にゃんこい!』最終話まで) [アニメ感想‐TV]

録画分の消化。やっと最終回まで見終えた。感想も少しだけ長めに(半分くらい余談ですが)。

にゃんこい! [公式サイト]

第11話「フレンズ」

劇中では冬休みに突入、クリスマス直前というラブコメには欠かせない時季っすね。冒頭、極道の娘にして陸上部部長の主催だろう「無事に二学期が終わってよかったね宴会」が。部長自ら宴会芸で盛り上げつつジュースを飲んでハイになるという特異体質も披露。Gu-Guガンモかい(あれはコーヒー)。この人は本当にイロモノ担当だったなあ。その後、部活に精を出す水野さんを除き、主人公と幼なじみの巨乳娘はそれぞれバイトを始める展開に。

どうも巨乳娘の片想いがメインみたいになってきたな。天然気味の水野さんより描きやすいってのもあるんだろうが。正直なところ、彼女が主人公にそこまで惚れてる理由がよく分からん。幼なじみキャラはどうしてもここが弱くなる。当事者しか知らない過去のいきさつ、好きになるきっかけをもう少しちゃんと見せて欲しいかな。巨乳娘がメインヒロインならもう少し尺を使えるんだろうが、悲しいかなサブヒロイン(の一人)だもんな。

後半に入り主人公と巨乳娘は映画を観に出かける。映画に感動して泣く主人公の様子から昔のことを思い出すうちに今はまだ友人のままでいい、と自分の気持ちを整理する巨乳娘。ふーん、現状維持、問題の先送りというかなり無難な結論になったな。ところで主人公は猫アレルギーなだけで猫嫌いではないんだっけ。しかし彼は猫の言葉が分かるんだよな。すると映画の中に出てくる猫たちが実際には何を喋っているのかも分かっちゃうわけだ。もしストーリーとはかけ離れた、例えば「あー、だりい...ったくやってらんねーっつーの」的なことを話してると分かったら、とても感動してボロ泣きはできんよな。それとも直接会わないと分からんのか。無粋なツッコミでした。ラストは主人公に猫耳が生えてびっくり...で次回へ続く。

第12話(最終話)「天国は待ってくれる?」

さすが最終回、作画も見せ方のテンポもこれまでで一番の出来だった。終わり良ければ...とはいうものの、できれば中盤もこうあって欲しかった。さて、前回のラストで主人公に猫耳が生えたのは、猫地蔵の呪いに関して水野さんに疑いを持たれたためだったらしい。そういや公園で猫と話してるの見られてたな。双子たちの協力の下、主人公は事態の改善を図るのだが...。

呪い関係は水野さんの天然っぷりに救われた感じ。ラストはありがちといえばありがちな締めくくり、原作漫画も完結してないしな...って第2期あるんかい。え、本当に? ネタじゃなくて? ふーん。ま、いいか。
全般的な感想としては「中途半端」、「どっちつかず」となるかな。ラブコメ要素、にゃんこ絡みのエピソード、あるいは最終話のように完全なドタバタコメディ、どれもが散漫でポイントが絞りきれてない。出された料理を口にしたら具材がバラバラに主張し合って、これならそれぞれ単独で食べた方がよくね? て感じかな。ちょっと残念だった。スタッフ・キャストの皆さんはお疲れ様でした。第2期を見るかは分かりませんが。


ここからは余談、『にゃんこい!』には直接言及してないです(無関係ではないけど)。これまでアニメに限らず数え切れないほどのラブコメ作品が制作されてきた。全てを追いかけた訳じゃないが、その多くは告白による片想いの成就がクライマックスであり、そのままハッピーエンドとして終わる。個人的にはその先をそろそろ見せてくれないかなと思ってる。最近では『WHITE ALBUM』が例外と言えるか。主人公の選択次第ではメインヒロインとの破局が描かれるから(原作ゲームの場合は。アニメ版は未見なので違うかもしれない)。

片想い中のドキドキやせつなさ、すれ違いのもどかしさ等が視聴者にとっても魅力的なシチュエーションであることは確かだ。でもその後は? 告白が受け入れられ、晴れてお付き合いをするようになった二人の姿を見てみたいと時々思うんだ。童話のラスト、「王子さまとお姫さまは末永く幸せに暮らしましたとさ」の部分、一体どんな暮らしぶりなのかなと。二人の間に色々なことがあって、最悪の場合、“末永く”の部分が適わなかったとしてもそれはそれでいいじゃないか。あまり賛同を得られないかもしれんが、ときめきを通り過ぎたその後を描く作品があってもいいのになあ、と決着の付かなかった『にゃんこい!』を見ていてふと考えた。オチは無い。

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nice! 19

コメント 6

takao

うーん、難しいですね。私は逆に、幸せな結末の後は見せないでくれ、と思うタイプです。見たいなぁ、なんて思う気持ちもあるのですが、そこでぐだぐだしてしまったりする場合が多いような気もしますし。何より、幸せな結末の後をいろいろ夢想できるのが、その作品に最後までつきあってきた人間の特権だと思っています。

ただ、ラブプラスみたいなのも出てきましたし、今後は変わってくるかもな、と思ったりしないでもないです。
by takao (2010-01-28 22:55) 

chokusin

>takaoさん
確かに。蛇足にしかなりませんものね。
ラブプラスのようにプレイヤーが自分自身の恋愛として(擬似とはいえ)体験できるならまだしも、他人のいちゃつく姿を見せられても・・・となりますか。

>幸せな結末の後をいろいろ夢想できるのが、その作品に最後までつきあってきた人間の特権
これはよく分かります。後日談的な二次創作が多いのも、キャラクターたちのその後を自分なりに夢想した結果でしょうし。
今回の『にゃんこい!』のようにはっきりとした答えが出ず、寸止めみたいな作品ばかりなら、付き合った後のすったもんだをやった方がいっそ誠実だよなーと思った次第です。
by chokusin (2010-01-29 00:21) 

chokusin

ponchiさん、xml_xslさん、kakasisannpoさん、おどんとグリフスさん、アロンダイトさん、
takaoさん、はっこうさん、nice!をありがとうございます。まとめてのお礼ですみません。
by chokusin (2010-01-29 00:23) 

HINAKA

chokusin様

ラブコメの、その後と言う話題に関しては、以前よりきちんとした形で、書き込もうとは思っているのですが、なかなかうまく行きません。
ただ、アニメとして1例を挙げるならば、作者が連載半ばで不慮の病死を遂げた未完の大作?を、残された資料(ネームや下書き、設定・粗筋・ラフスケッチなど)を元に、大胆に最後まで描いて見せた、ジャンル構成は完全に〈ラブコメ〉と言える、『イタズラなkiss』が見事なまでに学生結婚・就職(看護士ですが)しながらの妊娠・出産と、完結して見せた事は、殆ど注目を集めませんでしたが、画期的な事だったと思います。
勝手ですがその件に触れた、記事をトラック・バックさせていただきます。

ただこの作品は、徹底的な御都合主義と、コメディ路線を貫いていますので、真面目な話しとして結婚・妊娠・出産を描いたとは、言い難いものがあります。
それを、TVアニメ・シリーズ『クラナド・アフター・ストーリー』に託したのですが、夢オチという唖然とした結末を、公然と非難した結果、かなりブログが荒れました。

個人的に今大きく抱いている問題は、少女マンガが既に遠くへ置き去りにして来た、女子高生なら当然分かり切っている「恋愛の先にある性愛」の問題。
これが未だに、少年マンガでは消化されていません。そしていきなり成年マンガで、「始めに性愛ありきの恋愛」に突入するのです。少女マンガ、女性マンガ(レディーズ・コミックというジャンルですが、成人指定との混同を避ける為に、敢えてこういう表現を用いています)のヒロインと読者達には、恋愛の後に何が来るのかは、当然の帰結です。恋愛は、キスだけは終わらない……未だに少年マンガは、その点を飛ばしています。
さすがに、例えば現在も連載中の今時珍しいほどの、熱血な野球マンガ「メジャー」は子供の頃から始まり、育ての母親の結婚によって、弟が生まれるなどの、段階を踏んでようやく、自分も幼馴染みとの恋愛から結婚へと、進みました。
しかし結婚も妊娠も、1ページで片付けています。つまり、その間の「性愛」描写は、当然抜きです。結婚しても、キスまでです。

少女達は女性になり、恋愛をし性愛を経験するとどうなるか、文字通り身をもって知ることになりますが、少年マンガの世界で男子はある日いきなり、男性なるのです。
今時、そんなバカな話しは無いと思いますし、青年マンガではまず性愛ありき(このジャンルの草分け的作品、「メゾン一刻」が女性作家高橋留美子氏によって、恋愛コメディでありながら、シリアスな性愛描写と、その後の結婚に至る過程までを描いたのが、象徴的です。ですが、このマンガをしても、結婚してからの夫婦生活はドラマ化していません)で、いわんや《18禁》成年マンガに至っては、性行為以外は不要!という、実に嘆かわしい男性マンガ文化疎状態です。

ただ、近年徐々にですが、堅固な《少年マンガの男性性行為未体験》の壁を破る、破ろうとしている、そしてさらに破った先に性愛→結婚が、日常的にどれだけ大変か!を描いた作品が、少年マンガ(少年マガジン連載「涼風」コミックス完結)にも、青年マンガにも(白泉社ヤングアニマル連載「藍より青し」コミックス完結他)現れてはいますが、まだまだ道遠しの観は否めません)特に、妊娠→出産という過程の数々の問題は、まったく描かれていません。

とにかく、日本男児の性愛表現恐怖症!とも言うべき状態を何とかしないと、いつまで立ても男性社会への女性進出や、少子化対策など夢のまた夢です。
かつての少女マンガ家が勇気を持って、性行為から妊娠の恐怖、そして命懸けの出産へという道のりを、様々な苦難を乗り越えて表現し、今や結婚後の嫁姑問題から、介護問題までも日常マンガ取り上げる状況にあるにも関わらず。
改正(改悪)児童ポルノ禁止法を恐れて、お笑いにしかならないパンツが見えるの見えないのという次元でしか、この問題を捉える事の出来ないアニメ界に、未来があるとはとうてい思えません。

その意味で、話題にこそなりませんでしたが、『イタズラなkiss』はかなりの先駆的作品だったと、言えると思います。

長広舌、申し訳ありませんでした。それでは、また。


by HINAKA (2010-01-29 12:08) 

chokusin

>HINAKAさん
コメントありがとうございます。トラックバック先の記事も拝読しました。
ご指摘にありますラブコメのその後、あるいは「恋愛の先にある性愛」、これは至極当然のことで、それゆえに重要な部分ですよね。確かに少年漫画やアニメはこの点で少女漫画より遅れていると自分も感じます。一般誌での掲載、アニメであれば地上波での放送という部分で描写に限界もありますが、何もポルノ的な描き方をする必要もないですしね(受け手側がそれを期待している場合であっても)。
以前(20年以上昔です)、『翔んだカップル』の実写映画でメガホンを執った故・相米慎二監督が、劇中で主人公が三角関係中の女生徒の家から朝帰りするシーンで(言葉は悪いですが)「やったのか、やってないのか」をはっきりと見せることが重要で、たとえアイドル映画であっても誤魔化すべきじゃない、という趣旨の発言をしていました(まあ原作漫画自体が踏み込んだ描写をしていましたが)。アニメでもOVA『メガゾーン23 part2』の中で主人公たちのかなり激しいセックスシーンがあり、作画監督を務めた梅津泰臣は「食事をするのと同じ意味で当たり前のこと」であり、特別なことですらないと発言しています。
ラブコメの先、たとえばセックスを当たり前の行為として(扇情的にならず)描くことや、妊娠や出産、あるいは破局等の関係の終焉も描くべきと自分も考えます。そうすることで表現のステージは上がるような気がするんです(作品のターゲットにもよりますけど)。

by chokusin (2010-01-29 21:29) 

chokusin

ブラザーボブかきもとさん、genpatiさん、「直chan」さん、shinさん、kotobukimaruさん、
アレクリパパさん、sungenさん、ゆかさん、HINAKAさん、ぶさいくたろうさん、
ほりけんさん、ミナモさん、nice!をありがとうございます。
まとめてのお礼ですみません。
by chokusin (2010-01-29 21:43) 

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