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TVアニメ感想(『黒神 The Animation』第23話(完結)まで) [アニメ感想‐TV]

録画分の消化。とっくの昔に放送は終了している。途中からかなり視聴意欲が減退してしまったとはいえ、すべて見終えるまでこんなに時間がかかるとは我ながら思わなかった。やっと宿題が片付いたような気分だ。

黒神 The Animation [公式サイト]

第20話「覚醒」

前回クロたちを退けた黎真によってついに霊王石は破壊される。するとそこから無数の実体化した怨念が溢れ出す。そして語られる真実...というわけで、黎真がなぜ母や同胞を手にかけたのかが判明。かつて真神を封じた際に一族にかけられた呪いから妹クロを救うためだったと。真神は同じ姿をした三体から成り、それは三位一在というドッペルライナーシステムそのものでもある。なるほど、上手いこと繋げたなあ。そして真神の一体はクロだったのだ、という「主人公がラスボス」パターンに。しかし作画が相変わらず微妙な出来で盛り上がりをスポイルしていた、残念。

第21話「神変」

クロ兄・黎真が世界中の霊石を破壊したのも封印を解き真神を復活させるためだったらしい。復活した真神に最後の対決を挑むクロ兄。かなりど派手なバトルが展開するんだけれど、見ていて血中燃え濃度が全然高まりません。真神はドッペルライナーシステムという世界の理すら変える力を持つので、バトルにおける力の描写も天変地異レベル、それに立ち向かうクロ兄も光線技のオンパレードで画面は派手なのにまったく盛り上がらない。なんなのだろうなこの違和感は。ところどころで目を見張るような良い作画もあるのだがカット単位なので迫力が持続しないのは残念。

それ以上にですね、盛り上がりをスポイルしているのは主人公でもある慶太だ。こいつがもうイライラするほど救いようがないバカなのだ。このままでは世界が終わるぞという状況にあってなお、クソの役にも立たない個人的なこだわりを捨てきれないというですね。途中でクロが真神化し最強の敵となってしまうのだけど、彼女が正気を取り戻すきっかけが慶太との絆という展開になる。しかし肝心の慶太があれではクロへの説得もひたすら「お前が言うな」状態でしかない。しかもシリーズ序盤からここまで、逆境を跳ね返すほど強い絆が二人にあったと視聴者に納得させることに成功していないから、激しく都合の良い展開にしか思えない。
クロ兄の命を賭した必殺技で真神はひとまず退けたのだが...で次回へ続く。

第22話「運命」

前回クロ兄と相打ちの状態になったはずの真神はさらに禍々しい姿で復活、やはり最後は主人公クロとの直接対決へ。実質的な最終回とあってラストバトルの作画はかなり頑張ってます。極端なデフォルメでキャラ絵が崩れても迫力を優先させたアクションは素晴らしかった。序盤からこのスタイルだったらなーと惜しまれる。真神に立ち向かう際にクロは「(慶太のような)強い心で運命を破壊する」と覚悟を決める場面があるんだが、これまでの慶太の描写を思うと奴に「強い心」なんてあったっけ? と微妙な気分に。ともあれ今度こそ本当に真神を倒し長い戦いに決着が付いた。すべてが解決し再び穏やかな日常が戻った...かに見えたのだが、ドッペルライナーシステムは未だに機能していた。その原因は真神の転生であるクロが存命だからだという。クロが選択したのは自身を清き処に封印することで真神の呪いたるドッペルライナーシステムが人間界に機能しないようにするというものだった。...えーと、それっておかしくないか。

クロ兄が多くを犠牲にしてまで真神を復活させたのは、呪いにより真神の一部として転生したクロを殺さずに元を断つためだった。もともと真神はクロ兄ら獅子神一族によって霊石の力で封印されていたわけだが、その状態でもなおドッペルライナーシステムは機能していた。逆に言えば封印程度では無効化できないということだ。真神の転生であるクロが清き処に引きこもり自らを封印した程度で無効化できるなら今までの苦労はなんだったのさ。結局はクロが存在しない方が良かったってことでしょ。一連の騒動はクロ母とクロ兄のわがままだったとしか受け止められんわ。自らを封印するというクロの決断を尊い犠牲のように描かれても納得できん。お前ら親子のわがままによって引き起こされた騒動で一体どれほどの犠牲が出たと思うんだ。それはドッペルライナーシステムという呪い以上にはた迷惑だ。すべてが都合よく丸く収まるわけじゃないという無常を描きたかったにせよ、これではなあ。あともう一話残っているが何を見せるつもりなのか。

第23話(最終話)「道」

今回が本当の最終回ということもあってか、オープニングが当初のものに戻った。内容的にはこれまでのダイジェスト(追加要素あり)+後日譚という感じ。ダイジェスト部分の追加要素に関しては細部を忘れているので確証を持てないが、各場面の背景にはこんなことがあったんですよ、本編では描きませんでしたけどね、という裏話みたいなものだ。最後のファンサービスなんだろうが蛇足にも感じられた。本編でやれよと。それでもラストは綺麗に締めくくったなと思うけどね。堂々の完結だったと言えるんじゃないかな。

期待外れだったアクション描写、敵役交代による中盤あたりのダレ、何より主役コンビをはじめとするキャラクターに馴染めなかったこと等、個人的な満足度でいえば決して点数は高くない。原作が未完のためにアニメ独自の展開にせざるを得なかったのだから、あまり文句ばかり言うのもフェアじゃないかもしれないが。自分は原作を未読なので比較もできないが、原作ファンにとっては今回のアニメ化は成功だったのかしら。何はともあれスタッフ・キャストの皆さんはお疲れ様でした。

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